コロナ対策失敗なら党内分裂も 同志社大・阿川尚之教授

 今回の米大統領選は、トランプ大統領が勝利した2016年の前回選挙で負けた民主党側が「民主主義の危機だ」などと訴えて勝った。トランプ氏を支持する熱狂的な声に一度は負けても、「一生懸命やれば次は勝てる」という米国らしい楽観主義が表れているのではないか。

 勝利宣言中のバイデン前副大統領の元気な様子は印象的だった。しばらくは世論の支持も高いと思うが、上院で民主党が多数をとれなければ、閣僚の人事などで共和党に抵抗され政権運営に苦しむ。民主党が下院の多数を維持しても、いろいろな面で苦労があるだろう。また、今回の大統領選は民主党の地滑り的な勝利ではなかった。経済状況は悪く、新型コロナウイルス対策がうまくいかなければ、党内で分裂が起こる可能性もある。

 民主党内には、保守派が多数の連邦最高裁判事の定員(9人)を増やそうという声もある。リベラル派を多数にしようという狙いだ。ただ、この議論は司法の独立性を損なう懸念がある。バイデン氏と党の一部で意見が異なれば、摩擦が生じる恐れもある。

 バイデン氏が大統領に就任しても日米同盟は引き続き維持されるだろう。しかし、米国の国内事情により、より多くの責任の分担を日本に求めることになれば、日本は難しい判断を迫られる。万が一、中国が台湾に侵攻する事態になれば、日本の対応が問われることになる。(聞き手 坂本一之)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ