トランプvsバイデンの言葉遊びの陰で庶民は破産秒読み

 トランプ氏は現職大統領なのだから、コロナ対策に責任を負うのは当然である。彼は、2月はじめには国家安全保障担当補佐官から、これは大変な新型ウイルスであると警告を受けていながら何もしなかった。バイデン氏が指摘したように、それは「国民をパニックにさせないためだった」と後に述べたが、事実はおそらく違う。元国務省幹部のA氏は、「おそらく大統領は補佐官の警告を無視したのだろう。それほど重大だと考えなかったのだと思う。その誤解に気づいたときにはすでに遅く、パンデミックが始まっていた。その失態を覆い隠すため嘘を重ねる必要が生じ、そのせいで事態はさらに悪化していった」と推測した。

 その通りであるなら、何万人という国民の命を奪った大失政である。本来なら、候補者同士の討論会であれタウンホール形式であれ、そうした本質的な問題に絞って徹底的に論じることが有権者にとって有意義なはずだ。47年間のニューヨーク生活で、4年に一度、大統領選挙を見てきた。今回の低レベルな討論を見て改めて気づくのは、大統領選挙では、もっと絞ったテーマで深い議論が必要だということだ。毎回、妊娠中絶や銃規制、最高裁判事の人選など、本質的ではあるが、いくら論じても結論や解決策が出てくるわけではないテーマばかりに多くの時間が割かれるのは国にとって良いことではない。共和党と民主党が争う限り、どの討論も似たり寄ったりの内容で、歩み寄ることはないのである。

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