日米豪印連携「アジア版NATO」構想に中国震撼!? 重要な枠組みの安倍元首相「自由で開かれたインド太平洋構想」を大メディアも今までスルー…今後は国内外へ浸透を

ダイヤモンド形連携で中国を牽制

 当時、インドの友人らに教えられ、最初は英文で演説を読んだ私は、正直感動した。

 この頃、日本のメディアは連日、安倍政権と首相をひたすらたたいていた。素晴らしい構想と演説で、インドの政治家や識者を感動させたなどという安倍氏の功績は、まったく報じられなかった。

 インドから帰国して半月後、安倍氏は首相を辞任、緊急入院した。あのときの衝撃は今でも忘れられない。

 その後、野党議員となった安倍氏は12年、国際NPOのジャーナルに英語論文「Asia’S Democratic Security Diamond」を発表する。米国(ハワイ)、オーストラリア、インドの3カ国と日本を結ぶ、ダイヤモンド形の連携によって、中国の東シナ海、南シナ海進出を抑止するという構想だ。「2つの海の交わり」演説は、5年を経て「インド太平洋戦略」へとブラッシュアップされ、米国の対アジア戦略にも採用されたのである。

 本稿の目的は、安倍氏を称揚することではない。この優れた構想、論考を、日本の大メディアや政界人、識者が長らく、ろくに評価もしなかったことに物申したいのだ。

 しかし、過ちては改むるに憚ること勿れ、である。今後はこの構想を国内外に浸透させるため、大メディアの皆さんがともに尽力してくださることを期待するが、いかがか。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。

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