米大統領選・現場をゆく(上)「トランプ氏なら中国正す」と期待する農家 問われるバイデン氏の「決意」

米中分断「非現実的」

 対する民主党はどうか。バイデン陣営の政策顧問、ブリンケン元国務副長官は9月22日の講演で「中国に強い立場から関与するため、米国の(国力の)基盤を回復させる。共通の懸案では中国と協力していく」と述べ、対決と協調のバランスを考慮した対中政策を進めるべきだと主張した。

 ブリンケン氏はその上で「完全な米中分断は非現実的で非生産的だ。中国を含む世界から米国に人材や投資を呼び込むのを遮断するのは誤りだ」と指摘した。デカップリングに踏み込む姿勢はうかがえない。

 日本として気になるのは、対中国をにらんだ米国の同盟政策の行方だ。

バイデン氏の決意は

 トランプ氏は選挙集会で「同盟諸国は公平な負担をすべきだ」と訴えており、再選されれば在日米軍駐留経費負担の大幅な増額を求めるのは不可避だ。

 対するバイデン陣営は「トランプ氏は同盟を弱体化させ、中国が影響力を拡大させる余地を作った」(ブリンケン氏)と批判し、「同盟諸国との連携重視」の立場を打ち出す。トランプ氏が削減を決めたドイツ駐留米軍も従来通りの規模に戻す考えだ。

 しかし米国は今や、世界各地に兵力を配置する「超大国」としての影響力を行使する力を失いつつある。同盟諸国に自国の防衛力強化や駐留米軍経費の増額を求める方向性ではバイデン氏も大きな違いはない。

 ただトランプ氏は、「中国との対決」という明確な戦略の下でインド太平洋を重視し、代わりに欧州や中東の兵力削減に動いた。

 バイデン氏にも同様の思い切った判断ができるだろうか。問われているのは、中国の覇権を許さないという「政治的決意」をどこまで貫けるかだ。

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