米大統領選・現場をゆく(上)「トランプ氏なら中国正す」と期待する農家 問われるバイデン氏の「決意」

強まる反中感情

 貿易、技術、軍事、外交といったあらゆる分野で覇権主義的行動を強める中国に厳しく対処すべきだとする考えは、今や米議会の超党派で共有されている。米国民の対中感情の悪化も顕著で、調査機関ピュー・リサーチ・センターが7月に発表した世論調査では、過去最高の73%が中国を「好ましくない」と答えた。

 米研究者の間では「トランプ大統領が再選されても民主党のバイデン前副大統領が当選しても、今の対中政策の方向性が覆ることはない」との意見は多い。

 しかし、本当にそう言い切れるのだろうか。

関与政策から決別

 「米経済と米国的生活様式を守る戦略が必要だ。自由世界は新たな専制国家に打ち勝たねばならない」

 ポンペオ国務長官は7月23日、1972年に米中和解を実現させたニクソン元大統領(在任1969~74年)ゆかりの記念図書館(西部カリフォルニア州)での演説で表明した。

 バー司法長官もこの7日前、中西部ミシガン州グランドラピッズのフォード元大統領(同74~77年)の記念館で米経営者に「中国共産党への融和は短期の恩恵しか生まない」と訴えた。

 両氏による演説会場の選択には象徴的意味がある。フォード氏はニクソン氏の後を継ぎ、後に改革開放で知られる中国のト小平と会談するなど中国指導部に穏健路線で臨み、中国を国際社会に招き入れる「関与政策」のレールを敷いた。一連の演説は、歴代米政権の関与政策からの「完全決別」の表明に他ならない。

 その代表的事例が中国との経済関係を切り離す「デカップリング」に向けた取り組みだ。トランプ政権は半導体の国際供給網から中国を締め出す輸出規制を断行。中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」に米国事業の再編を求めるなどハイテク分野で「鉄のカーテン」を敷く強硬策に大きく傾いた。

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