米大統領選・現場をゆく(上)「トランプ氏なら中国正す」と期待する農家 問われるバイデン氏の「決意」

 トランプ米大統領(74)の新型コロナウイルス感染は11月3日の大統領選に影響を与えそうだ。大統領選は「新型コロナ危機」「中国」、そして黒人暴行死事件を受けた「人種と治安」が3大争点だ。これらに関し、共和党のトランプ氏、民主党のバイデン前副大統領(77)の2人の大統領選候補は何を訴え、一般の有権者はどう行動しようとしているのか。各地の現場から報告する。

「中国を正して」

 米自動車産業の中心地であるデトロイトを擁する中西部ミシガン州は大統領選の激戦州で、「中国」が選挙情勢を左右する可能性がある。トウモロコシや大豆などの穀物栽培や酪農が盛んな農業州の顔も持ち、輸出が生命線だからだ。

 州南部の農村地帯、セメントシティーの酪農家、ハンク・チョート氏(70)は「トランプ氏に2期目を託せば対中関係を正してくれる」と期待する。中国の貿易慣行は閉鎖的だが、チョート氏は「トランプ氏が再選されれば中国に圧力をかける戦術を続ける」と信じている。

 しかし、トランプ政権下の3年半余の間に、米国の酪農業の状況は決して好転したわけではない。

 米政権は約1年半に及ぶ貿易戦争を経て2月に中国との貿易協定を締結したが、内実は一時的な「休戦」。中国は乳製品を含む米国の農産品に報復関税を課したままで、酪農業界は苦しんでいる。業界団体は「酪農家は事業を継続できない」と窮状を訴えた。

 新型コロナ流行も追い打ちをかけた。約480頭の乳牛を保有するチョート氏の農場でも今春、出荷が激減した。それでもチョート氏は「トランプ氏は2期目に対中貿易交渉を再開させ、市場開放に導いてくれる」と期待を寄せる。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ