米、国際社会の動揺払拭 トランプ氏感染も日米豪印会合にポンペオ氏出席

 【ワシントン=黒瀬悦成】ポンペオ米国務長官が、トランプ大統領の新型コロナウイルス感染と一時入院にもかかわらず東京での日米豪印外相会合に出席したことには、米国が中国の脅威に対抗する国際連携を最重要視する立場を打ち出す狙いがある。同時にトランプ氏が入院中でも米国の外交・安全保障態勢に揺らぎはないことを同盟・パートナー諸国に強調するためだ。

 ポンペオ氏は6日、茂木敏充外相との会談で「日米関係は地域の安全保障、平和の礎だ」と指摘した。国務省がポンペオ氏訪日に合わせて5日に出した声明は、両国の同盟関係が「地域の安定維持、政治・経済的自由の維持と発展、人権尊重、民主体制の支持といった共通の利益と価値観の上に成立している」とし、米政府にとり訪日は極めて重要との考えを示した。

 トランプ政権は経済やハイテク、軍事などあらゆる分野で覇権主義的行動を活発化させる中国への対処を国家安全保障上の最大懸案と位置付けており、日米豪印の外相会合で対中連携を早急に確認したい意向が強かったとみられる。

 一方、トランプ氏の感染めぐっては、バーンズ元国務次官(政治担当)がツイッターで「大統領が病のすきに中国が台湾への圧力を強め、ロシアが(ベラルーシの混乱など)東欧の事態に乗じる可能性は排除できない」と指摘。「米国は、中露の動きを監視し、(対抗)能力を堅持しているとのシグナルを中露に示すことが重要だ」と訴えた。

 バーンズ氏は大統領選の民主党候補、バイデン前副大統領の陣営の外交政策担当顧問を務める。トランプ政権は、トランプ氏の感染で外交・安保政策に支障が生じ、大統領選でバイデン氏からの攻撃材料になるのを避けるため、ポンペオ氏に国際社会の動揺を抑える役割を課したといえる。

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