トランプ氏感染 経過めぐり説明に食い違い 問われる情報開示の透明性 大統領選に影響も

 【ワシントン=黒瀬悦成】新型コロナウイルス感染で入院したトランプ米大統領の体調をめぐり、ホワイトハウスの情報開示の透明性に疑問を呈する声が相次いでいる。トランプ氏が入院前の2日に酸素吸入を受けていたことが4日まで伏せられていたほか、経過に関する主治医とメドウズ首席補佐官の見解に食い違いがあったためだ。

 コンリー主治医は4日の記者会見で、トランプ氏が2日朝にホワイトハウスで酸素吸入を受けていたことを認めた。酸素吸入をめぐっては、複数の米メディアが3日に報じたが、コンリー氏は3日の記者会見で明らかにしなかった。

 コンリー氏は一連の対応に関し「医師団が大統領の経過に前向きの見方をしていることの表れで、症状が悪化していると受け取られたくなかった。隠し事はしていない」と釈明した。

 一方、コンリー氏が3日の記者会見で「大統領は非常に元気だ」と述べたのに対し、メドウズ氏がその直後に「過去24時間は非常に懸念される状態だった。今後48時間が山場だ」と指摘したことで、「どちらが本当なのか」と疑念を招く事態となった。

 複数の米メディアによると、トランプ氏はメドウズ氏の発言に激怒したとされる。トランプ氏は3日、「(体調は)ましになった」などとするビデオメッセージをツイッターに投稿し、自ら「病状深刻説」の打ち消しを図った。コンリー氏も4日、メドウズ氏が自身の説明を「誤解した」とし、「24時間前のある時点(で難しい状況だった)という意味だった」と修正した。

 ただ、AP通信によると政権高官らは、トランプ氏がコンリー氏に余計なことを言わないよう圧力をかけているか、コンリー氏自身がトランプ氏に迎合して楽観的な見通しを表明しているとみて、不満を募らせているという。

 ロイター通信とイプソスが4日発表した世論調査では、トランプ氏が「新型コロナに関し国民に真実を伝えている」との回答は34%にとどまり、「伝えていない」の55%を下回った。

 一方、NBCテレビと米紙ウォールストリート・ジャーナルが同日発表した世論調査は、大統領選の民主党候補、バイデン前副大統領の方が「適切に新型コロナに対処できる」とする回答が52%(トランプ氏は35%)に上ったとしている。

 トランプ氏が早期に治癒し順調に退院すれば、「ウイルスを克服した強い指導者」としてのイメージを有権者に誇示することができる。一方、体調をめぐる不透明な情報開示などで世論の不信感が高じるようであれば、同氏の再選の行方に影を落とす可能性がある。

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