トランプ大統領が窮地 告発本出版の姪が「遺産詐取」で提訴

 当時、メアリー氏が直接やりとりしたのは、トランプ氏の弟でメアリー氏の叔父にあたるロバート・トランプ氏(今年8月に死去)だった。彼らとメアリー氏側の話し合いは平行線のまま進み、メアリー氏とその兄フリッツは、祖父の遺言書の無効を訴えて訴訟を起こすことを決める。すると、相手方である叔父や伯母マリアン(トランプ氏の長姉。元第3巡回区合衆国控訴裁判所裁判官)たちから、思いもよらぬ仕打ちを受けた。

 〈生まれてからずっとトランプ・マネジメント社によってかけられてきた私たちの医療保険(トランプ家の一族は全員これによって医療費を保証されていた)が解約されていた。兄は息子ウィリアムの払いきれないほど高額な医療費の支払いをこの保険に頼ってきた〉

 〈私たちの医療保険を無効にするというのはマリアンの考えだったが、それによって彼らが得をするわけではない。ただ、私たちにより多くの痛みを与え、精神的に追い込もうとする作戦だった。そのころにはウィリアムも退院していたが、それでもまだ発作を起こしやすいことに変わりはなかった。心拍停止状態になり心肺蘇生法でかろうじて助かるということもあったほどだ。ウィリアムにはいまも24時間体制の看護が必要なのだ〉(同前)

 メアリー氏は、兄フリッツの息子で病弱だったウィリアムのため、医療保険を元に戻すよう別の訴訟を起こさざるを得なかったという。しかし、そのことが一族の間にさらに大きな亀裂をもたらし、もう一人の叔母エリザベス(トランプ氏の次姉)からは「あの子たち、お金が欲しいだけなのよ」と陰口を叩かれたほどだった。

 それから約2年が過ぎ、ウィリアムを抱えての訴訟継続が困難であると判断したメアリー氏らは、叔父らとの和解を決心。だが〈マリアン、ドナルド、ロバートは、私たちが父から相続した財産の取り分、つまり「ミニ帝国」(*注)の20パーセントと「プライスレス」な賃貸権をあきらめることに同意するまで和解しないと言ってきた〉(同前)という。

 【*注:「ミニ帝国」/メアリー氏の祖父でトランプ氏の父であるフレッドが設立した不動産管理会社ミッドランド・アソシエイツ社が所有する〈サニーサイド・タワーズ〉や〈ハイランダー〉など8つの建物を指す】

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