中国共産党による人権侵害を世界が問題視! 「イスラム教の中国化」「中華民族共同体の意識」を日本は厳しく批判するべきだ

日本の選択

 習近平国家主席率いる中国共産党政権による「人権侵害」が、自由主義諸国で問題視されている。ドナルド・トランプ米政権は5月、中国当局が100万人以上のウイグル人や少数民族・宗教団体のメンバーを収容所に送り込んだと報告書で批判した。オーストラリア戦略政策研究所は最近、新疆ウイグル自治区で少数民族の収容施設が380以上も存在するとの報告書を公表した。米大統領選(11月3日投開票)の勝者が誰になっても、「自由」と「人権」への冒涜(ぼうとく)は許されない。注目される菅義偉首相の対応。新進気鋭の政治学者、岩田温氏が集中連載「日本の選択」で斬り込む。

 1942年1月20日、ドイツ・ベルリン郊外、ヴァンゼー湖の畔(ほとり)にある大邸宅で重要かつ残虐な会議が開かれた。会議を主宰したのはナチスの国家保安部長官、ラインハルト・ハイドリヒ。この会議においてユダヤ人問題に関する「最終的解決」、すなわち、史上稀にみる一民族の大量虐殺が決定された。

 9月25、26両日、北京で極めて重要かつ深刻な会議が開かれた。流石に、一民族の消滅が決定されたわけではないが、国家による少数民族の基本的人権の弾圧を擁護、是認する議論が恥じることなく展開された。

 ウイグル自治区に関する重要会議「中央新疆工作座談会」が6年ぶりに開催されたのだ。中国メディアなどによると、出席した共産党最高指導部の前で、習主席は次のように述べたという。

 「共産党の統治政策は完全に正しく、長期間にわたって必ず堅持すべきだ」「イスラム教の中国化を堅持せよ」「中華民族共同体の意識を心の奥底に根付かせよ」

 現在、世界中で非難されている中国政府による「基本的人権の弾圧」を擁護する発言だといっていい。中国政府の人権弾圧については、英国のドミニク・ラーブ外相が「おぞましく、甚だしい」と非難し、多くのヨーロッパ諸国がこれに同調した。習氏は「人権の先生はいらない」と嘯(うそぶ)いてみせたが、世界の中で人権を無視する中国は孤立しつつある。

 習氏の言葉の中で注目すべきは「イスラム教の中国化」「中華民族共同体の意識」との2つだろう。

 「イスラム教の中国化」とは、一体何を意味するのか? 本来、イスラム教は世俗的な国家を超越した信仰の共同体を重視する。イスラム教の論理に基づけば、国家は人間がつくり上げたものに過ぎないからだ。

 だが、習氏はイスラム教を中国化せよと主張する。これは要するに、国家、とりわけ中国共産党に盲目的に従属するイスラム教へと変化せよとのメッセージに他ならず、敬虔(けいけん)なイスラム教徒にとっては到底受け入れることのできない命令だろう。そもそもマルクスが「宗教は阿片(アヘン)」と断じたように共産主義と宗教とは水と油の関係にある。

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