米、バチカンの対中接近を批判 教皇庁「大統領選に利用、不適切」と反論

 【パリ=三井美奈】ポンペオ米国務長官は9月30日、訪問先のローマで宗教をめぐるシンポジウムに出席し、中国の人権侵害を列挙し、対中接近に動くバチカン(ローマ教皇庁)を暗に批判した。バチカンのパロリン国務長官(首相に相当)は記者団に「不適切だ」と述べ、反論した。

 バチカンは2018年9月、断交している中国との間で司教任命権をめぐる暫定合意を締結。合意期限は2年間で、正式発表はないが延長が見込まれている。

 ポンペオ氏は30日、中国共産党が新疆ウイグル自治区のイスラム教徒少数民族を弾圧し、キリスト教徒の迫害も続けていると指摘。「民主主義の指導者は人間の尊厳や道徳を見失うべきではない。宗教指導者も同じだ」と述べ。教皇フランシスコに対中政策の見直しを促した。

 バチカン放送によると、パロリン卿は会場で記者団に、「バチカンと中国の関係を米大統領選に使うのは適切ではない」として、ポンペオ氏の発言に不快感を示した。暫定合意については「宗教の自由を進める一歩になる」と正当化した。

 ロイター通信によると、ポンペオ氏は教皇に面会を求めたが、バチカンは米国が選挙中であることを理由に拒否したという。

 ポンペオ氏は30日、イタリアのディマイオ外相とも会談した。記者会見でポンペオ氏は、第5世代(5G)移動通信システムで「安全保障のリスク考慮を求める」と述べ、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品を採用しないよう求めた。ディマイオ氏は「米国の懸念は分かっている。5Gの安保は重要だ」と応じた。

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