ラストベルトでトランプ人気に陰り 大統領選討論会場のオハイオ

 バイデン氏は、最低賃金の引き上げなど「労働者保護」の方針を鮮明にし、民主党の伝統的な支持基盤である労働組合の支持固めに力を入れている。だが2016年の前回選挙では、国内産業保護を優先する「米国第一」を掲げたトランプ氏が、州内の自動車労組で「4割近い組合員票をとった」(地区幹部)という。

 今回も労組票の切り崩しを狙うトランプ氏は21日にトリードを訪れ、バイデン氏が「オハイオの労働者を売り渡すグローバリストを支えた」と述べ、同氏が中国などの貿易相手に譲歩を繰り返したと批判した。

 ただ、トランプ氏の3年半の政権運営にも厳しい目が向けられている。全米鉄鋼労組は今月から、輸入品に高関税をかけて自国産業を守ろうとしてきた同氏をあからさまに批判する動画をネットに流し始めた。

 動画はかつて同氏が「鉄鋼労働者を職場に戻す」と訴えた映像に重ね、「そんなことは起きていない」と反論。オハイオ州などで高炉の停止が相次ぎ、1万2千人の雇用が失われ「約束は守られなかった」と指摘している。

 トリード大学のサム・ネルソン政治・公共政策学部長は、トランプ氏の就任後も自動車工場などの拠点閉鎖に歯止めがかからなかったことが、「雇用をめぐる大統領の実績に向ける有権者の評価を大きく引き下げた」と指摘。「前回選挙でトランプ氏に熱狂した有権者の支持を失う深刻なリスクがある」と分析する。

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