バルマ駐日インド大使「インド太平洋」構想を評価 カシミール衝突で中国警戒

 中国の覇権主義的な行動は、南隣の大国インドとも緊張を作り出している。同国のサンジェイ・バルマ駐日大使は24日、産経新聞のインタビューに応じ、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」構想などを通じ、「法の支配」に基づく国際秩序を確立することが重要だと訴えた。

 中印の実効支配線が通るインド北部カシミール地方ラダックでは6月、中印両国軍が衝突し、インド側に20人の死者が出た。バルマ大使は「実効支配線ではこれまで(対立激化を避ける)一種の“紳士協定”が機能してきたが、ここにきて(中国側が)一方的な行動に出た」と非難。インド側には中国への「不信と疑念」が生じ、国民の間でも反中感情が高まった、と指摘する。

 インドのモディ政権はその後、利用者の個人データが不正に取得されているとして、若者に人気が高い「TikTok(ティックトック)」など中国発の携帯端末アプリを禁止。バルマ大使は「(アプリ禁止は)インドの主権を守るための措置」だとし、中国がデジタル分野でも国際規範から逸脱した行動を取っていることに強い警戒感を示した。

 「自由で開かれたインド太平洋」構想については、「法の支配」の確立や民主主義の促進に向けた域内各国の結束をうたったものと評価。一方で、「(同構想は)ビジョンであり、特定の国を標的とした戦略ではない」との認識を示し、対中包囲網の構築に同構想を組み入れるトランプ米政権とは一線を画す立場を強調した。(大内清)

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