元警官起訴も殺人罪適用せず 米南部黒人女性射殺

 【ニューヨーク=上塚真由】米南部ケンタッキー州ルイビルで3月、自宅アパートで黒人女性の救命士、ブリオナ・テイラーさん=当時(26)=が警官に射殺された事件で、同州の大陪審は23日、発砲にかかわった3人の警官のうち1人だけをテイラーさんの隣人を危険にさらした罪で起訴した。テイラーさんを死亡させた行為には殺人罪を適用せず、地元では抗議デモが広がった。

 起訴されたのは、ブレット・ハンキソン容疑者(事件後に免職)で、同容疑者が発砲した銃弾がテイラーさんの隣人の部屋に達したという。事件の特別検察官を務めた同州のキャメロン司法長官は、テイラーさんの自宅で発砲した他の2人の警官については正当防衛が認められ、処分を見送ったと説明した。

 23日にはルイビルでは抗議デモが拡大。地元メディアによると、同日夜に少なくとも警官2人が何者かに撃たれて負傷したという。

 警官3人は3月13日未明、薬物事件の捜査のため、テイラーさんの自宅アパートの玄関を破壊。一緒にいた交際相手が警官を侵入者と勘違いし発砲したところ、警官も応酬し、テイラーさんは6発の銃弾を受けて死亡した。テイラーさんの自宅からは薬物は見つからなかった。

 米国では、5月に中西部ミネソタ州で起きた白人警官による黒人男性暴行死事件を受けて、警官の過剰な暴力や人種差別に抗議するデモが全米に拡大し、テイラーさんの名前も大きく取り上げられた。女子テニスの大坂なおみ選手も優勝した全米オープンのシングルス初戦で、テーラーさんの名前入りマスクを着用した。

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