国連総会、一般討論演説へ トランプ氏はビデオで中国批判か

 【ワシントン=黒瀬悦成、ニューヨーク=上塚真由】国連の場で各国首脳らが内外情勢に関する自国の立場を表明する、国連総会の一般討論演説が22日に始まる。トランプ米大統領は前日にホワイトハウスで収録したビデオ演説で、中国による新型コロナウイルス対応や経済、ハイテク、軍事分野での覇権的行動が国際社会への重大な脅威となっていると批判し、中国に厳然とした対応をとっていくことを国際社会に呼びかける。

 今年の一般討論演説は、新型コロナの感染拡大を受けて首脳らは出席せず、ニューヨークの総会議場で各国首脳のビデオ声明が上映される。トランプ氏は演説で、中国が新型コロナ危機に関し初動の対応を誤ったせいで世界中で多数の人命が失われ、経済が壊滅的打撃を受けたとして、中国に対する責任追及を各国に呼びかけるとみられる。

 また、中国による知的所有権の侵害や先端情報の窃取といった経済・貿易分野での不公正な行為や台湾への軍事的圧力、南シナ海の軍事拠点化などを改めて非難し、中国に態度変更を要求する見通しだ。

 トランプ氏はまた、国連安全保障理事会の対イラン制裁決議を「全面的に復活させた」と主張する立場から、各国にイランに対する圧力を強化していくよう呼びかける。

 6週間後に控える大統領選をにらんで、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンとの国交正常化や、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)指導者のバグダディ容疑者やイラン革命防衛隊「コッズ部隊」のソレイマニ司令官の殺害といった、1年間の外交・安全保障分野での成果も誇示するとみられている。

 22日は中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、イランのロウハニ大統領らも演説。中国は、米国を「単独行動主義」と批判しつつ、「中国こそが多国間主義の支持者だ」といった趣旨の主張をしてくるとみられる。

 新型コロナや気候変動など国際協調が求められる課題に、各国がどのような姿勢を示すかも焦点だ。

 グテレス事務総長は演説で、新型コロナ危機の深刻さを訴え、紛争地に医療物資が届くよう年内の停戦実現を呼びかける方針。また、米中対立により世界経済が分断する危険性にも言及し、「新たな冷戦」の阻止を各国に訴える。

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