習指導部のコロナ対応糾弾…任志強氏に懲役18年 言論統制を強化

 【北京=西見由章】中国の北京市第2中級人民法院(地裁)は22日、横領や公金流用などの罪に問われた国有大手不動産会社「華遠集団」元会長、任志強氏(69)に懲役18年、罰金420万元(約6500万円)の実刑判決を言い渡した。任氏は新型コロナウイルスへの初動や情報隠蔽をめぐって習近平指導部を厳しく批判した後、拘束されていた。任氏は経済犯罪の刑事責任を問われたものの、実質的には中国当局による言論統制強化の一環といえそうだ。

 ■「太子党」グループ出身

 判決によると、任氏は2003~17年に公金約4970万元を横領し、さらに公金6120万を流用するなどしたとされる。

 政府高官の父を持つ任氏は、党幹部子弟の「太子党」グループ出身。言論界でも積極的に発言し、党中央や指導者に対しても鋭い舌鋒(ぜっぽう)で批判することから「任大砲」の異名をとった。16年にも中国版ツイッター微博で習国家主席に批判的な書き込みをし、3700万人以上のフォロワーを持つアカウントが強制閉鎖される事態となった。

 ■王岐山氏と習氏にすき間風?

 任氏は、同じ太子党の王岐山国家副主席と政治的に近いとされる。王氏と習近平氏はともに反腐敗闘争を主導した盟友だが、任氏への厳しい対応を受けて王、習氏の間に吹く“すき間風”を指摘する声もある。

 今年2月に任氏が発表したとされる文書は「党中央が感染症に対して正確な判断を下し、(習氏が)自ら指揮して有効な措置をとったというなら、なぜ感染が全国や世界に広まったのか」と指摘。習氏について「衣服をはぎ取られても皇帝になろうとしている道化」などと厳しく糾弾していた。

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