トランプの逆襲を予感させたバイデン「なまぬるい市民集会」

 その歴史上の戦いでは数々の名勝負も生まれた。それをきっかけに、それまで積み重ねてきたリードが帳消しになった例もある。例えば、再選を目指したブッシュ(父)氏が若きクリントン氏の挑戦を受けた1992年がそうであった。当時、ブッシュ氏は湾岸戦争に勝利し、再選間違いなしと見られていた。しかし、選挙前に不況に入り、タウンホール・ミーティングでは参加した若者から経済政策について厳しく追及された。ブッシュ氏は「早く終わらないかな」という態度が見え見えで、チラッと腕時計に目をやった。その所作が致命傷となり、そこから流れが一気にクリントン氏に傾いたのである。

 タウンホール・ミーティングはテレビ討論会の前哨戦のような意味を持つし、市民からの質問にどう答えるかは候補者の能力が試される。今回のバイデン氏のそれは、正直に言って焦点のないぼんやりしたものだった。CNNの仕切りも悪かったのか、質問に立ったのは民主党支持者ばかりで、厳しい質問や追及はひとつもなかった。こんな形式ではトランプ氏とのテレビ討論の予行演習には到底ならないし、トランプ政権の問題点を浮かび上がらせることもできなかった。

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