寄稿 台湾・呉外交部長「台湾が国連参加なら世界により貢献」

 今年は国連憲章の調印から75年に当たる。同時に今年は、世界中が新型コロナウイルスにより、経験したことのない公衆衛生の危機に直面した。国際社会はこれまで以上にお互いの協力を必要としており、台湾も協力への参加を望んでいる。

 台湾は、8月時点で新型コロナの感染者を500人以下、死者を7人に抑え、感染の封じ込めに成功している。6月下旬までに、医療用マスク5100万枚、医療用ガウン60万着、非接触型体温計3万5000個などの医療物資を、日本や米国、欧州連合(EU)など80カ国以上に寄贈した。民主主義の理念を共有する国と迅速な検査キットや治療薬、ワクチンなどの開発も行っている。

 国連のグテレス事務総長は、国連の包括性や多国間主義が「持続可能な開発目標」(SDGs)の実現に寄与すると発言している。この発言には完全に同意するが、台湾が世界の民主主義の模範であり感染の封じ込めに成功したにもかかわらず、国連や関連組織に参加し、経験を共有することが認められないのなら、このビジョンは不完全なものとなる。

 国際社会は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)により、台湾が世界保健機関(WHO)と国連の体系から不当に排除されていることを深刻に認識した。それでも、中国は国連に圧力をかけ、台湾を排除し続けている。

 台湾は男女平等、経済成長率、清潔な水と衛生、格差縮小、健康と福祉などの多くのSDGグローバル指標で、経済協力開発機構(OECD)諸国に匹敵する水準に達している。台湾は、SDGsへの取り組みを活用することで、各国がパンデミックによる混乱から立ち直ることを支援できる。台湾は長年、クリーンエネルギーや防災などの分野でアジア、アフリカ、中南米、太平洋などの友好国を支援してきた。

 つまり、われわれは支援の準備ができており、もし国連の活動や会合に参加できれば、より多くの貢献ができるのだ。15日から開催されている国連総会を機に、台湾が国連や国際社会で果たしうる役割の大きさについて、日本の皆さんに知っていただきたい。

 【プロフィル】ご・しょうしょう 台湾・彰化県生まれ。政治大卒、米オハイオ州立大で博士号(政治学)。政治大教授、駐米代表などを経て2016年の蔡英文政権発足と同時に総統の外交・安保政策諮問機関「国家安全会議」秘書長に就任。総統府秘書長(官房長官に相当)を経て18年2月から外交部長(外相)。65歳。

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