国連総長「1945年に直面している」 創設時の理念で結束訴え

 【ニューヨーク=上塚真由】国連のグテレス事務総長は16日、第75回国連総会開幕に合わせて記者会見を行った。新型コロナウイルスによる世界の死者がまもなく100万人に達するとし、「アウトブレーク(感染爆発)はいまだ制御できていない」と強い危機感を表明。「目下の非常事態を乗り越えるため、かつてないほどの結束を示すべきだ」と国際協力の重要性を訴えた。

 国連では来週、創設75年の記念会合や、各国首脳の一般討論演説がオンライン形式で実施される。米中が激しく対立し、対面式の国連外交も中断される中、グテレス氏が「地球規模で最大の安全保障上の脅威」と位置付けるコロナ禍への対策を、どう前進させるかが課題となっている。

 グテレス氏はコロナ対策について「手ごろな価格ですべての人に行き渡るワクチンが必要だ」と述べ、世界保健機関(WHO)などが進める、ワクチン普及のための国際的枠組みへの資金支援を各国に呼びかけた。またワクチンの効果をめぐる誤情報が世界中で拡散しているとし「命取りとなる誤情報を防ぐため、全力を尽くすべきだ」と述べた。

 このほか、重要問題として貧困根絶や、気候変動への取り組みを挙げ、「世界は目標から大きくそれている」と指摘。気候変動問題では、主要な炭素排出国として米国や中国、日本などを名指しし、「政府が取り組まないなら、市民社会や企業、都市が取り組むよう後押しする」と強調した。

 1945年の第二次世界大戦終結を受け、新たな世界紛争を防ぐため創設された国連。グテレス氏は「75年という記念の年を迎え、われわれは自らの『1945年』に直面している」と述べ、創設時の理念に立ち返って結束することが重要だと訴えた。

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