中国の核戦力拡充「先制不使用政策に矛盾」 米司令官が指摘

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国の核戦力を統括指揮する戦略軍のリチャード司令官は14日記者会見し、中国が「敵から核攻撃を受けない限りは核兵器を使用しない」としてきた従来の「核の先制不使用」政策に矛盾する核戦力の拡充を進めていると指摘した。

 リチャード氏は、中国が核の先制不使用政策の放棄に動いているか否かについて「判断する立場にない」としつつ、中国が主張する「最低限の核抑止力」とは食い違う核抑止戦略を実行できる戦力を確保していると強調した。

 国防総省が1日公表した中国軍の軍事力に関する議会向け年次報告書は「中国は長年にわたり先制不使用政策を維持してきた」としつつ、一定の条件下では先制不使用政策は適用されないとする議論が中国国内で台頭し、政策のあり方が「不明瞭になっている」と懸念を示した。

 報告書によれば、複数の中国軍幹部は公開論文で「敵の通常兵力による攻撃が中国の核戦力および中国の体制自体の生存を脅かした場合は、先制核使用に踏み切る場合もあり得る」と指摘。中国に対する攻撃を察知した時点で核を使用する即時発射態勢の強化も検討されているという。

 報告書は、中国政府が現行の先制不使用政策の解釈に幅を持たせようとする動きは見られないとする一方で、「中国の不透明な核近代化計画は、中国がより大規模で高性能の核戦力の保有を目指しているとの疑念を抱かせるのに十分だ」と強調した。

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