EU、中国と首脳会談 警戒と協力のバランス外交探る 米国の封じ込め策とは距離

 【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)は14日、中国とオンライン形式での首脳会談を行う。EU側からは議長国ドイツのメルケル首相、フォンデアライエン欧州委員長ら、中国側は習近平国家主席が出席する。

 香港問題や巨大経済圏構想「一帯一路」による投資攻勢などで、EUは対中警戒を強めている。だが環境問題や経済関係では「中国との協力は不可欠」との立場だ。米国の中国封じ込め策と一線を画し、バランス外交を探る機会となる。

 EU筋によるとEUは会談で人権問題を提起し、国家安全維持法が施行された香港も議題する。さらに南シナ海情勢で、中国の海洋進出に懸念を表明する。

 しかし、最大の課題は双方が年内合意を目指す投資協定の行方だ。交渉は2013年から続いている。

 10日にデジタル問題のハイレベル対話が行われ、EUはデータ保護などで「透明でオープンな制度」を中国側に要求した。中国が8日、米国の封じ込め策に対抗し、データ管理の世界基準作りを目指す姿勢を示したことへの懸念がある。

 EUは今夏、欧州に投資攻勢をかける中国企業の規制案作りに着手した。第5世代(5G)移動通信システムで安全保障を理由に華為技術(ファーウェイ)製品の採用に、慎重姿勢を示す加盟国も増えている。

 中国は米国の圧力が強まる中で欧州に活路を見いだす戦術だ。EUとの首脳会談を前に中国外交トップの楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(よう・けつち)共産党政治局員と、王毅(おう・き)国務委員兼外相が相次ぎ欧州を歴訪した。

 王氏はフランスでの講演で米国の中国たたきを「歴史的誤り」と批判し、イラン核合意や環境問題で欧州と中国の協力を訴えた。

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