トランプ政権、「イラン」と「パレスチナ」両にらみで圧力

 【ワシントン=住井亨介】トランプ米大統領にとって、自身の仲介でイスラエルとバーレーンが国交正常化に合意したことは、8月のイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)との国交正常化合意に続き、自らの中東政策に自信を深めるものとなった。トランプ政権は、アラブ諸国にイランの脅威に対抗する必要性を一層浸透させる一方で、1月に発表した中東和平構想へのパレスチナの妥協を引き出す「両にらみ」の戦略を思い描いている。

 トランプ氏は11日、「他の国々でも参加したいという強い熱気が感じられる」と述べ、さらに国交正常化に動くアラブ諸国の存在を示唆した。

 イランはシリアやイラクなどで代理勢力を使って影響力を拡大させている。米第5艦隊が司令部を置くバーレーンは対イランの最前線だ。イランに対抗するためにアラブ諸国との連携を深めるとの戦略は、イランを最大の脅威とみなすイスラエルや、イスラエルを支持する米国が共有する。

 トランプ政権が1月に発表した中東和平構想は、内容がイスラエル寄りだとしてパレスチナ自治政府が協議を拒否している。だが、イランの脅威が共通土壌となり、UAE、バーレーンに続くアラブ諸国が出てくれば、パレスチナにとっては大きな圧力となる。

 トランプ氏は「パレスチナの人々にとっては良いことが多く起きるだろう」とも言及。新たな和平協議の場へパレスチナを誘導する考えをにじませた。

 圧力を強化してイランを交渉のテーブルに着かせることが米国の中東政策の柱で、今回の国交正常化の動きは、その政策が軌道に乗り出したことを示すものだ。トランプ氏はイランにも「前向きなことが起きるだろう」と述べ、膠着しているイランとの関係にも変化を期待した。

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