米中枢同時テロ19年 「録音では伝えられない」 コロナ対策で2つに割れたNY式典

 【ニューヨーク=上塚真由】米中枢同時テロから19年を迎えた11日、ニューヨーク市では2つの追悼式典が同時に開催された。新型コロナウイルスの感染防止対策をめぐり見解が対立し、分裂する形となった。

 ハイジャック機2機が激突して崩壊した世界貿易センター(WTC)ビル跡地での式典は今年も行われたが、遺族が2人1組で犠牲者の名前を読み上げる従来の方法はコロナの感染防止のため中止され、代わりに事前収録された読み上げの音声が流された。式典では旅客機がビルに激突した時刻やビルが崩壊した時刻に黙祷(もくとう)がささげられたが、参加した遺族は少なかった。

 これに対し、一部の遺族らが事件を風化させてはならないと反発。殉職した消防士の功績をたたえる遺族団体が、WTCビル跡地から数ブロック離れた場所で別の式典を主催し、約140人がその場で犠牲者の名前を読み上げた。

 マスク姿の遺族らが見守る中、消防士だった叔父をテロで亡くし、自らも消防士となった男性は「人を助けるため現場に駆け付けた叔父を誇りに思っている。勇気と魂をずっと引き継いでいく」と語った。団体の代表、フランク・シラーさん(67)は「テロを知らない世代が増える中で、19年前に何が起きたのかを伝え続ける必要がある。録画ではなく、その日の感情を目にすべきだ」と話した。

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