「中国はアルゼンチンの強引さ学んだ」フォークランド紛争の英元少将

 【ロンドン=板東和正】沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件から7日で10年になるのを前に、アルゼンチンが英領フォークランド諸島に侵攻した1982年のフォークランド紛争で英軍の上陸部隊を指揮したトンプソン元少将(85)が産経新聞の取材に応じた。同氏は「中国はアルゼンチンの強引な手法を学んでいる」と警鐘を鳴らし、日本は防衛体制を強化すべきだと訴えた。

 トンプソン氏は「(紛争当時)アルゼンチンは英国から領土を奪えると信じた」と指摘した上で、「中国も日本が(尖閣防衛に)対応する能力や意思を持っていないと考え、侵略が成功すると信じている」と述べた。中国が2012年、フォークランド諸島の領有を主張するアルゼンチンへの支持を表明したことなどに触れ、紛争での侵攻手法などを学んでいるとした。「中国の習近平国家主席は(当時のアルゼンチンと同様に)『法の支配』を無視している」と批判した。

 日本は空母や潜水艦など強力な海軍を持つべきだと主張。集団的自衛権の行使などで憲法上の制約があるものの、「米国などと連携してNATO(北大西洋条約機構)のように太平洋を守る軍事同盟を結成し、中国に対抗すべきだ」と提言した。「友好国が集まれば中国に(警戒を伝える)サインになる」と訴えた。

 フォークランド紛争については「英国の民主主義国家としての誇りや外交上の信用を守る戦いだった」と振り返った。

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 中国漁船衝突事件 平成22年9月7日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)沖で違法操業していた中国漁船が海上保安庁巡視船「よなくに」「みずき」に衝突。同庁は中国人船長を公務執行妨害容疑で逮捕したが、那覇地検は同月25日、処分保留のまま船長を釈放した。

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