米大統領選 トランプ氏とバイデン氏、同盟関係はどうなる

 ただ、トランプ氏の同盟観には「米国が相手国を一方的に守っている」との発想が色濃いのは事実だ。  駐ドイツ大使として独駐留米軍の削減を主導したグレネル前国家情報長官代行は26日、共和党全国大会で演説し、国際問題への過度な関与で「ワシントンが世界の首都になった」ことが米国の疲弊を招いたとし、2期目のトランプ政権が「米国第一」の外交政策を進めると強調した。

 グレネル氏は、同盟諸国には「責任の共有」を求めていくとしており、トランプ政権が日本に対し、在日米軍駐留経費の大幅な増額を引き続き求めてくるのは避けられない見通しだ。

 一方、バイデン前副大統領の陣営は同盟関係を「取り換え不可能な礎石」(民主党綱領)と位置づけ、「トランプ政権が破壊した同盟の修復と再活性化を目指す」としている。対中関係に関しても、トランプ氏に対抗するため、また米国の対中世論が冷却化したのに押され、中国に厳しく対応していく立場を示す。

 バイデン氏は「国際協調主義」の立場から、トランプ氏が脱退を表明した気候変動に関するパリ協定や世界保健機関(WHO)への復帰を目指す考えだ。

 しかし、気候変動問題や疫病対策で中国からの協力獲得を目指す中で、台湾やウイグルの問題など中国が「核心的利益」と位置付ける分野での追及が緩む恐れは決して排除できない。

 オバマ前政権は、米中が世界の重要懸案への対処を主導する「G2」構想を提唱した「前科」があり、決して楽観はできない。(ワシントン 黒瀬悦成)

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