中国、米の「対中包囲網」切り崩しへ 欧州との関係強化狙う

 【北京=三塚聖平】中国国防省の呉謙報道官は27日の記者会見で、米中関係について「国交樹立以来の非常に厳しい複雑な局面にある」と言明した上で、「米側が絶えず挑発して問題を引き起こし、中国の主権と安全を深刻に損なっている」と批判した。米中両軍が意思疎通を保つことは非常に重要だとも指摘した。

 南シナ海問題などで米国との対立が深まる中で、中国は欧州への働きかけを進めている。新型コロナウイルスの流行が抑制されてから初の外国訪問として訪欧中の王毅(おう・き)国務委員兼外相は経済面での協力を強調。経済関係を“武器”にして、米国が構築を目指す「対中包囲網」の切り崩しを図る考えだ。

 王氏は現地時間26日、オランダのブロック外相とハーグで会談。中国側の発表によると、王氏は「中国が対外開放を拡大するチャンスをオランダ企業がつかむことを歓迎する」と強調した。農業や航空宇宙、バイオ医薬などの分野で協力を深めることも呼び掛けた。

 一方で王氏は「オランダが、公平・公正で開かれた、差別のないビジネス環境を中国企業に提供することを望む」とクギを刺した。米国が呼び掛ける、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)などの排除を意識したとみられる。

 同日に王氏と会談したオランダのルッテ首相は、米中の「デカップリング(切り離し)」について「いずれにとっても利益がなく、全く実現不可能だ」と中国の立場に同調している。

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