中国のミサイル発射、米空母排除の“切り札” 急がれる対中同盟網

 【武漢=西見由章、ワシントン=黒瀬悦成】中国軍が26日に南シナ海へ中距離弾道ミサイルを発射したのは、米軍の空母打撃群を排除する“切り札”を誇示し、中国近海で軍事プレゼンスを急速に高めている米軍に警告する狙いがある。

 中国人軍事研究者は発射されたとみられる対艦弾道ミサイルについて、米海軍への「接近阻止・領域拒否」戦略の基盤だと解説。「実力誇示は長期的な方針だ」としつつ、発射時期は「米軍偵察機が中国北部の海域に入ったことと関係あるだろう」と指摘する。

 中国国防省は25日、米軍機が中国軍の演習区域に侵入したとする非難声明を発表。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、米偵察機が飛行したのは渤海湾だったとする消息筋の話を伝えた。中国は渤海を内水としており、事実なら米軍機の領空侵犯を許したことになる。

 トランプ米大統領が共和党全国大会で大統領選候補に指名された直後にミサイルを発射したことで、トランプ政権に的を絞って牽制(けんせい)する動きとの観測もある。

 一方、トランプ政権は、中国が弾道ミサイルで南シナ海や西太平洋に展開する米軍を攻撃する態勢を確立した場合、米軍の優位が一層低下しかねないとして危機感を強めるのは確実だ。

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