米大統領選 ポンペオ国務長官、中東政策の成果を誇示

 【ワシントン=黒瀬悦成】ポンペオ米国務長官は25日、エルサレムから共和党全国大会に向けて行ったビデオ演説で、トランプ政権が中東政策で「多大な実績を上げた」と強調した。トランプ大統領としては政財界に影響力のあるユダヤ人勢力を中心とする有権者に外交分野での成果をアピールし、票の上積みにつなげたい思惑が読み取れる。

 演説は、トランプ政権が2017年にイスラエルの首都に認定したエルサレムの旧市街を望む丘の上で行われた。ポンペオ氏は、トランプ氏が在イスラエル米大使館をテルアビブからエルサレムに移転したことに触れ、「神の都市、エルサレムはユダヤ人の祖国の正当な首都だ」と強調した。

 トランプ氏が仲介したイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)との国交正常化合意については「私たちの孫が歴史書の中で読むことになる」と述べ、歴史的な成果であると訴えた。

 トランプ政権は、イスラム教シーア派国家イランの封じ込めに向け、イスラエルおよびUAE、サウジアラビアなどスンニ派のアラブ湾岸諸国との大同団結構想を模索。これを受け、UAEに追随する構えを示す国々も出てきた。ポンペオ氏が今回訪問するバーレーンもイスラエルとの国交に関心を持つとされる。

 ポンペオ氏は23~28日、中東諸国を訪問。バーレーンやカタールにもイラン包囲網に加わるよう要請しているとみられている。

 ポンペオ氏はまた、対イラン関係に関し、多数のイラク駐留米兵などの殺害に関与したイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害し、同部隊に連なるレバノンのシーア派武装組織ヒズボラにも打撃を与えたと指摘。「破滅的なイラン核合意」からの離脱も大きな成果であると位置づけた。

 イラク、シリアの広大な地域を一時支配したスンニ派過激組織「イスラム国」(IS)についても「大統領の決意と指導力で支配地域は一掃され、指導者のアブバクル・バグダディは殺害された」と述べた。

 ポンペオ氏はその上で、IS掃討作戦の終結に伴い「わが勇敢な兵士たちは祖国に帰還しつつある」と指摘し、中東からの米軍撤収を本格化させていく考えを改めて示唆した。

 ポンペオ氏の演説に関し、民主党のペロシ下院議長は「米国が超党派でイスラエルを支持しているとの精神に反する」と語り、イスラエル外交を大統領選に政治利用したと反発した。

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