米大統領選 銃問題、警察改革争点に 党大会で応酬

 【ニューヨーク=上塚真由】11月3日実施の米大統領選に向け、銃問題や警察改革が重要な争点となっている。相次ぐ警官による黒人銃撃事件を受けて人種差別問題の対策を訴える民主党のバイデン前副大統領(77)に対し、共和党のトランプ大統領(74)は「法と秩序」を守るため抗議デモ参加者の暴徒化には強い姿勢で臨む姿勢を前面に押し出し、支持基盤の保守層にアピールする。

 米国では、新型コロナウイルスの感染拡大による失業者増や人種差別抗議デモを背景に、治安の不安定化への懸念が高まっている。トランプ氏は2期目の公約に警官の増員を掲げ、「共和党は法と秩序の政党」と強調。抗議デモを支持しながら、暴徒の取り締まりに言及しないバイデン氏を「過激な左翼の操り人形」などと攻撃してきた。

 24日に開幕した共和党全国大会でも治安問題が焦点の一つとなり、中西部ミズーリ州の自宅前で人種差別の抗議デモ隊に銃を向け威嚇したとして訴追された白人夫婦が登場。夫婦は自衛のため銃を用いたと主張し、「どこに住もうと、過激な民主党の米国では家族の安全はない」と訴えた。

 トランプ氏は一方で再犯防止に取り組む姿勢を強調している。25日の党大会では銀行強盗で有罪となった後、他の受刑者の支援組織を立ち上げた黒人男性に恩赦を与える動画を流した。

 一方のバイデン氏は先週の民主党全国大会で、構造的な人種差別問題を「米国の危機」と位置付けて争点化を図り、トランプ氏の対応を「憎悪と分断をあおっている」と糾弾した。

 ただ、穏健派の支持離れを防ぐため、警察改革には慎重だ。各地の抗議デモで叫ばれた「警察の予算打ち切り」など急進的な主張は取り入れず、警官の多様な人種の採用や、不正行為を働いた警官の訴追をしやすくすることなどが改革案の柱となっている。

 23日には中西部ウィスコンシン州で無抵抗の黒人男性が警官に背後から銃撃を受ける事件が新たに発生し、抜本的な警察改革を求める左派勢力からの圧力が今後高まる可能性がある。

 また両陣営は、米社会に根付く銃問題をめぐっても激しく応酬した。

 民主党大会では銃撃事件の被害者やその家族が登場し、トランプ氏を支持する銃擁護団体、全米ライフル協会(NRA)を次々と非難。また、2018年2月の南部フロリダ州パークランドの高校銃乱射事件で若者による銃規制の活動を立ち上げたエマ・ゴンザレスさんが登場し、「銃の暴力は、それに強固に反対する運動があるまで続く」とNRAへの対決姿勢を鮮明にした。

 共和党大会ではこれに対抗し、パークランドの事件で娘を亡くしたアンドリュー・ポラックさんが演説し、トランプ氏への支持を表明した。

 ポラックさんは、学校内でのトラブルに対し、警察への通報ではなく、校内で対処することを促したオバマ前政権の政策を非難。パークランドの事件で銃撃犯の事前の殺害脅迫が見逃された要因となったと主張し、「極左の民主党の政策が学校の銃撃を可能にさせた」とオバマ前政権で副大統領を務めたバイデン氏の責任を追及した。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ