米大統領選 オンラインに救われたバイデン氏 「反トランプ」前面も未来像描けず

 【ワシントン=黒瀬悦成】11月3日実施の米大統領選の民主党大統領候補に正式指名されたバイデン前副大統領は、民主党全国大会が史上初のオンライン形式で開催されたことで、大いに救われたといえる。

 バイデン氏が昨年4月25日に大統領選の民主党候補指名争いに出馬を表明して以降、選挙集会や予備選、党員集会などの現場取材で同氏を追いかけてきたが、77歳の高齢からくる老いが随所で目についた。

 特に、支持者集会の演説での覇気のなさが際立った。決して多くない聴衆も高齢者が大半。それでも指名争いを制したのは、サンダース上院議員ら急進左派を党候補にさせまいとした穏健な同党支持者がバイデン氏を押し上げたためだ。

 バイデン氏は指名受諾演説で今回の大統領選を「米国の魂をかけた戦いだ」と主張し、トランプ大統領の再選阻止を唱えた。こうした主張は、この3年半余のトランプ政権下の米国の激動ぶりを「疲れた」と感じる者には、大会で流されたバイデン氏の「苦労人」ぶりを印象付ける紹介映像と相まって一定の訴求力があったと推察できる。

 だがそれは、大会の全面オンライン化で、テレビの前の視聴者だけを意識して「善玉のバイデン」対「悪玉のトランプ」のイメージを固定化させる綿密な演出が可能になったためだ。

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