米大統領選 「ジョーは家族」 バイデン氏の地元支持者ら政権奪還に期待

 【ウィルミントン(デラウェア州)=上塚真由】11月の米大統領選の民主党候補に指名されたバイデン前副大統領(77)は20日、地元の東部デラウェア州ウィルミントンからオンライン中継を通じて指名の受諾演説を行う。新型コロナウイルス対策のため支持者集会などは開催されず、盛り上がり不足は否めないが、地元では政権奪還に向けた期待が高まっている。

 「ジョセフ・バイデン・ジュニア駅へようこそ」。全米鉄道公社(アムトラック)のウィルミントンの駅を降り立つと、バイデン氏の名前が書かれた看板がまず目につく。バイデン氏は上院議員時代、30年以上、デラウェア州から首都ワシントンへ1時間半あまりの列車通勤を続けた。1972年に交通事故で妻子を亡くし、残された2人の息子と暮らすため、デラウェア州に居を構え続けたためだ。列車好きの逸話は地元で愛され、2011年に駅名がバイデン氏の名前となった。

 ウィルミントンは人口約7万人の小さい都市だ。市街地で住民に話を聞くと、バイデン氏について「会ったことがある」と口をそろえる。デザイナーの黒人女性、シェラバ・オリバーさんは「スーパーマーケットで何度も見かけた。ジョーはいつも気さくで、11月は自分の家族に投票するような気持ちよ」と語った。

 バイデン氏と50年以上の付き合いがある同州の民主党代議員、リタ・ヒューズさん(70)は州南部から2時間かけて、バイデン氏の応援のため車でウィルミントンに駆け付けた。ヒューズさんが大学生のときに働いた法律事務所で、当時、弁護士をしていたバイデン氏が上司だった。

 「当時から仕事の話だけでなく、いろんな相談に乗ってくれた。思いやりがあり、普通の人の気持ちが分かる。今は正反対の人物が大統領になっているのでジョーが求められる時代だ」とヒューズさん。家族ぐるみの交流は今も続き、ヒューズさんの孫が父親を病気で亡くしたときには、バイデン氏が声をかけてくれたという。

 地元では、バイデン氏の「親しみやすさ」や「人間らしさ」に魅了される長年の支持者が多いが、評価が割れるのは同氏の政策だ。

 ウィルミントンは米化学大手デュポンの創業地として発展してきたが、近年は合併や分社化で地元の雇用が減少。米ゼネラル・モーターズ(GM)など自動車産業も約10年前に撤退した。自動車部品会社での勤務と配車サービス運転手の2つの仕事をこなす黒人男性(42)は「経済再生が重要だ。バイデン氏はよい人だが、政策をきちんと調べないと、誰に投票するかはまだ決められない」と語った。弁護士のカレブ・ジョンソンさん(28)は「私は少数派だが、トランプ大統領に投票する。バイデン氏の経済政策は急進左派の主張を取り入れ、実行可能と思えない」と左派寄りの政策を警戒する声も聞かれた。

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