バイデン氏、苦難と復活の人生 妻子が事故死、共和党重鎮とも親しく交流 米大統領選

 【ワシントン=平田雄介】11月の米大統領選で民主党の大統領候補に、ジョー・バイデン氏(77)が18日、正式指名された。バイデン氏とはどんな人物なのか。

 バイデン氏は1942年生まれ。東部ペンシルベニア州とデラウェア州で育った。幼少期から吃音(きつおん)に悩んだが、頭の中で話す内容を確かめてから発話するなど苦労して克服した。

 米シラキュース大学法科大学院在学中に最初の妻、ネイリアさんと出会う。結婚して飼い始めた犬を「セネター(上院議員)」と名づけた。72年11月、29歳で上院議員に当選。史上5番目の若さだった。同12月、クリスマスの買い物に出かけた妻と1歳の娘を交通事故で亡くした。息子2人も重体。一時は議員就任を辞退しようとしたが、周囲の説得を受け翻意した。子供たちのため、首都ワシントン(コロンビア特別区)には住まず、デラウェア州から長距離列車で通勤を続けた。

 上院議員として外交や刑事司法、薬物問題に取り組んだ。外交、司法委員会では委員長も務めた。

 91年の湾岸戦争で武力行使に反対した。イラク戦争に先立つ2002年の武力行使決議案では賛成に回り、のちに「後悔」を口にした。一部では、「すべての重要な外交政策と安全保障に関する判断でミスを犯してきた」(ゲーツ元国防長官)という評価もある。

 この間、1977年に英語教師のジル夫人と再婚。1女に恵まれた。45歳だった88年、脳動脈瘤(どうみゃくりゅう)の破裂で2度の手術を受け、7カ月で復帰。率直で親しみの持てる人柄で交流は広く、2018年に死去したマケイン上院議員(共和党)の葬儀の際は故人の希望で弔辞を読み、「兄弟のように思っていた」と涙を流した。

 大統領選は1988年と2008年にも挑戦した。最初は演説の盗用を指摘され撤退、2度目はオバマ前大統領とクリントン元国務長官(当時は上院議員)の争いに加われなかった。

 16年大統領選の出馬が取り沙汰された15年、デラウェア州の司法長官を務めた46歳の長男、ボー氏を脳腫瘍で亡くし、失意のうちに立候補を見送った。

 今年の民主党候補指名争いでは中道穏健派の支持を集め、急進左派のサンダース上院議員を退けた。

 オバマ前大統領のミシェル夫人は17日、幾多の苦難を乗り越えた「彼の人生は復活の証し」と支持し、新型コロナウイルスと不況に苦しむ米国の再建を託した。

 ただし、失言癖が問題視されることもある。最近も、今月6日に公開されたオンラインイベントでの発言で、「黒人軽視」と受け取られる失言をして批判を浴びている。

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