米大統領選 副大統領候補が与える選挙戦への影響 定説は「限定的」だが…

 米民主党の大統領候補指名を確実にしているバイデン前副大統領(77)が黒人女性のカマラ・ハリス上院議員(55)を副大統領候補に選んだ。米主要政党での女性副大統領候補はハリス氏で3人目だが、黒人女性としては初めてだ。11月の大統領選で民主党が勝利すれば、ハリス氏は初の女性副大統領になる。しかもバイデン氏が高齢であることから、ハリス氏は2024年以降の民主党の有力な大統領候補になると目されている。女性支援団体などからは、「白人男性が中心だった米政治が変わるきっかけとなる」と歓迎する声が出ている。

 ■「副」が主役?

 女性で初の副大統領候補になったのは、1984年の大統領選に民主党から出馬したモンデール氏に選ばれたフェラーロ下院議員(当時)だ。2008年の大統領選ではアラスカ州知事(同)のサラ・ペイリン氏が共和党のジョン・マケイン氏に選ばれた。

 ペイリン氏は副大統領候補になるまで全米ではほぼ無名の存在で、その清新さでメディアの注目を集めた。同時に経験や知識の不足が格好の標的となり、ペイリン氏にそっくりなコメディー女優が「頭が空っぽで準備不足の副大統領候補」を政治風刺番組で演じて全米の話題となった。

 陣営がペイリン氏本人の露出を抑えたため、「本人ではなく、コメディー女優のイメージが先行した」(米ジャーナリズムの専門家)結果となり、正副大統領候補の「正」より「副」へスポットが当たった異例の選挙戦となった。

 ■補いあう関係

 熾烈(しれつ)な選挙戦をともに戦う「ランニング・メイト」である副大統領候補は、当選後は大統領を助け、大統領に不測の事態が生じた場合は後継者となる。大統領候補がランニング・メイトを決める際には、本選でより多く票が取れる、党の結束を図れる可能性のほか、経験や年齢、地域、思想などのバランスが考慮され、「大統領候補自身にないものを補う組み合わせ」が理想とされる。

 1960年の大統領選で北東部マサチューセッツ州選出の上院議員から立候補したケネディ氏は、南部テキサス州選出で、経験豊かな民主党上院院内総務だったジョンソン氏を選んだ。

 2008年にオバマ前大統領が、上院外交委員長などを歴任したバイデン氏を起用したのは、氏のベテラン議員としての経験を頼みとしたからだ。

 今回のハリス氏は50代の女性であり、南アジア系のルーツも持つというバイデン氏にはない特質を備えている。

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