中国・習政権が韓国“取り込み”に本腰か 左派色強い文政権が中国につくなら…トランプ氏激怒で「米韓同盟」解消も

 中国外交担当トップの楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)・共産党政治局員が、近く韓国を訪問する方向で調整を進めている。ドナルド・トランプ米政権は、自由主義諸国の「自由・民主」「人権」「法の支配」を守るため、中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」など中国5社の製品やサービスを使う企業とは原則、米政府との取引を中止した。習近平国家主席の中国としては、米国の同盟国でありながら、左派色の強い韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権を攻略し、取り込むつもりのようだ。

 「(中韓両国は)重要な近隣国で協力のパートナーだ」「(楊氏訪韓の)関連情報があれば速やかに発表する」

 中国外務省の趙立堅副報道局長は13日の記者会見で、こう語った。

 韓国メディアの同日の報道によると、楊氏の訪韓が実現すれば2018年7月以来で、韓国政府が進めている習近平国家主席の年内訪韓や、朝鮮半島情勢などについて意見交換するという。

 ただ、中国の狙いは別にありそうだ。

 米政府は13日、中国ハイテク5社の製品を使う企業に関して、米政府との取引を禁じる規則を施行し、国際的なサプライチェーンから締め出す動きを加速させた。中国が、5G(第5世代移動通信システム)を世界に展開して覇権を握ろうとしているからだ。

 中国には弱点がある。

 5Gに不可欠な、最先端のCPU(中央演算装置)の製造ラインを持つ受託製造会社は、世界中で台湾の半導体受託製造大手「台湾積体電路製造(TSMC)」と、韓国のサムスン電子の2社しかない。TSMCは米国の対中制裁強化に呼応し、9月からファーウェイ向けの半導体出荷を止める。一方のサムスンは、文政権が態度を表明できずにいる。

 文政権は、経済低迷やスキャンダル続発で支持率が下落している。同盟国・米国の意向は無視できないが、最大の貿易相手国である中国との関係も重視したい。

 こうしたなか、楊氏は「韓国の取り込み」を狙って訪韓するとみられる。韓国は、米国に付くのか? 中国に付くのか?

 韓国事情に詳しいジャーナリスト、室谷克実氏は「支持離れが広がる文政権は現在、内政対応で頭がいっぱいで、外交は上の空だ。もともと、米国よりも中国に軸足を置く以上、楊氏の訪韓を受け、最後は中国の言うことを聞き、サムスン電子に圧力をかけるのではないか」と語る。

 トランプ大統領が激怒し、「米韓同盟」を解消する可能性も出てきた。

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