安倍氏土下座像を設置した植物園園長に「逮捕・投獄」の過去

 日韓関係に新たな火種が生まれた。韓国北東部、江原道平昌郡の「韓国自生植物園」で、慰安婦を象徴する少女像の前でひざまずいて謝罪する安倍晋三総理の銅像が設置された。像のタイトルは「永遠の贖罪」。8月11日に除幕式を開く予定だったが、一転中止となった。

 銅像を設置した同園園長の金昌烈氏(71)は韓国メディアに対し、「男性像は特定の人物ではなく、少女らに責任を負うべき人々の象徴だ。政治的意図はない」と釈明したが、同園が作成したメディア向け広報文によれば、像の別名は「謝罪する安倍像」。

 7月28日、菅義偉官房長官は記者会見で「国際儀礼上、許されない。日韓関係に決定的な影響を与える」と強い不快感を表わした。在韓ジャーナリストが言う。

 「植物園は2018年に火事があって閉園したのですが、今年6月に再開したばかり。園長の金氏は大学生だった1970年代に学生運動にのめり込み、逮捕、投獄されたこともある筋金入りの左派運動家です。刑務所暮らしは3年間に及んだとも。銅像に政治的意図があったことは明確でしょう」

 慰安婦銅像の設置をめぐって日韓関係がこじれるのは過去幾度となく起きてきたが、今回はやや様相が異なる。韓国政府もまた、この銅像に不快感を示しているのだ。

 7月28日、韓国外務省報道官が記者会見で「外国の指導者に対しては国際的な礼儀というものがある」と発言。設置を支持しない考えを示した。日韓関係に詳しいジャーナリストの赤石晋一郎氏が語る。

 「文在寅政権はいま、先の徴用工訴訟判決で差し押さえた日本企業の資産を現金化する手続きを進めており、8月にも動きがあると見られていた。一方で日本政府も韓国に対してビザ発給の厳格化といった報復措置を検討しており、双方にらみ合いが続いている。一歩間違えば“日韓破局”という状況のなか、文政権としては、いまは日本に余計な刺激を与えるのは得策ではないと考えているのでしょう」

 園長が“謝罪”しても事は収まりそうにない。

 ※週刊ポスト2020年8月14・21日号

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