米大統領選 バイデン氏が対中強硬打ち出す 「中国に手ぬるい」批判に対抗

 実際、バイデン氏は大統領選に出馬表明後の昨年5月、「中国は米国とは勝負にならない」と述べ、中国の脅威を過小評価した。同年7月にはオバマ政権下で国務省高官などを務めた約100人が「中国は敵でない」と題した、トランプ政権の対中政策を批判する公開書簡を発表している。

 一方、米調査機関ピュー・リサーチ・センターが今年7月30日に公表した全米世論調査では、中国が「好ましくない」と答えた人は73%に上り、2018年調査から26ポイントも上昇していることが分かった。

 貿易問題や新型コロナウイルス禍などで米世論の対中認識が急速に厳しくなったのを受け、民主党の外交政策関係者の間では、従来の対中姿勢の修正を図る動きも目につき始めた。

 バイデン陣営の外交政策上級顧問を務めるブリンケン元国務副長官は7月、政策研究機関ハドソン研究所の外交問題の大家、ウォルター・ラッセル・ミード氏との対談で、中国が米国に「数々の新たな挑戦を突きつけている」と認め、中国の不公正な商行為や貿易慣行を「このままにしておけない」と強調した。

 問題なのは、こうした民主党の態度変更がトランプ政権からの「対中弱腰」批判に対抗する目的で出てきたことだ。民主党が政権奪取を果たせば、対中強硬姿勢が途端に薄れていく可能性は排除できないとの指摘は少なくない。

 また、台湾問題に関しては、台湾支援の立場を明確にするトランプ政権とは対照的に、バイデン氏周辺の外交専門家は「一つの中国を尊重すべき」とする民主党の伝統的立場を打ち出しており、中国に付け入る隙を与える恐れが強い。

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