日本製鉄の韓国内資産、4日から現金化可能に 徴用工訴訟の確定判決

 【ソウル=名村隆寛】いわゆる徴用工訴訟で韓国最高裁が新日鉄住金(現・日本製鉄)に賠償を命じた問題で、韓国の大邱(テグ)地裁浦項(ポハン)支部が6月にとった日本製鉄への資産差し押さえ命令の「公示送達」の効力が4日に発生する。これにより、韓国国内の同社の資産の現金化手続きが可能となる。

 公示送達は、裁判所の掲示により書類が被告側に届いたとみなすもの。日本製鉄の韓国内での保有資産は、韓国鉄鋼最大手「ポスコ」との合弁会社の株式。原告側はすでに約19万4千株を差し押さえており、日本製鉄は売買や譲渡の権利を失っている。

 11日までに日本製鉄による抗告がない場合、差し押さえは確定。裁判所が命令を出せば、原告は資産評価など株式売却に向けた次の手続きを進めることができる。

 韓国最高裁は1965年の(日韓)請求権協定では元徴用工らの個人請求権は消滅していないとし、計4億ウォン(約3700万円)の賠償を命じた。日本政府は「個人請求権の問題は日韓請求権協定で解決済み」との立場で、同社は賠償支払いや協議を拒否してきた。

 日本企業の資産現金化は、韓国最高裁の判決同様、日韓関係の法的基盤を根本から覆すもので、両国関係の一層の悪化は不可避となる。

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