米、香港への軍民両用技術輸出を制限 対中圧力強化

 【ワシントン=黒瀬悦成】ポンペオ米国務長官は29日、中国による「香港国家安全維持法」導入の動きを受け、米国が香港に認めてきた軍民両用の技術に関する輸出を、中国本土と同様に制限すると発表した。トランプ政権は今後も、香港への優遇措置の追加見直しを含め、中国に対する圧力を強めていく考えだ。

 ポンペオ氏は声明で「中国は今や香港を『一国一制度』として扱っている」と批判し、米国も香港を中国と同様に扱うとした。

 今回の措置は「米国の安全を守るため」とし、「軍民両用技術が、あらゆる方法で中国共産党の独裁維持を図る人民解放軍の手に落ちる危険を冒すことはできない」と説明した。

 声明は、今回の措置に踏み切らざるを得なかったのは、中国が香港の「高度な自治」をうたった1984年の中英共同宣言を順守していないためだとした。「米国の行動は中国の体制を標的にしたものであり、中国の人々に対するものではない」とも強調した。

 トランプ大統領は5月、香港への国家安全維持法導入に対抗して、香港に与えてきた関税やビザ(査証)の特別優遇措置の廃止手続きを開始すると表明した。

 今月26日にはポンペオ氏が香港の「高度な自治」を侵害した疑いのある中国共産党体制の現職および退官した複数の当局者に対し、ビザの発給を制限する制裁を科すと発表。上院も25日、香港の自治制限に関与した個人や組織、金融機関に制裁を科すことを定めた「香港自治法案」を全会一致で可決するなど、中国への圧力を強めていく機運が超党派で高まっている。

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