米大統領選まで半年 トランプ氏、バイデン氏の性的暴行疑惑で攻勢

 【ワシントン=黒瀬悦成】米大統領選は11月3日の投開票まで6カ月となった。再選を目指すトランプ大統領(73)は、民主党候補指名を確実にしたバイデン前副大統領(77)に対し、最近浮上したバイデン氏の性的暴行疑惑をめぐる同氏や野党・民主党の不透明な対応をやり玉に上げて攻勢をかける考えだ。

 政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」がまとめた、トランプ氏とバイデン氏の対決を想定した場合の両者の平均支持率は、トランプ氏42・1%、バイデン氏47・4%。本選の行方を左右する激戦州の中西部ウィスコンシン、東部ペンシルベニア、南部フロリダでもバイデン氏が支持率で先行している。

 ただ、ここへきて浮上したバイデン氏の性的暴行疑惑が、同氏への打撃となる可能性も強まってきた。

 バイデン氏は1日、MSNBCテレビの報道番組で疑惑は「真実ではない」と述べて全面否定した。

 性的暴行疑惑は、バイデン氏が上院議員だった1993年、同氏の事務所職員だったタラ・リード氏(56)がバイデン氏から下着に手を入れられるなどしたとして刑事告発したもので、現在までに真偽は明らかになっていない。

 民主党はこれまで、女性のセクハラ被害を告発する「ミー・トゥー」運動を全面的に支援。2018年には保守派のカバノー最高裁判事(55)の承認公聴会で、カバノー氏による昔の性的暴行疑惑を徹底追及するなど、「女性の権利を守る党」の立場を強く打ち出してきた。

 バイデン氏自身も同年、カバノー氏の疑惑に絡み「女性からの性的暴行被害の訴えは真実と推定すべきだ」と主張していた。

 ところが、ペロシ下院議長をはじめとする民主党指導部は、カバノー氏に対しては「刑事捜査を行うべきだ」などと唱えていたにもかかわらず、バイデン氏については「問題は見つからない」としてリード氏の訴えを事実上黙殺。保守勢力から「民主党寄り」と目されている主要テレビ各局も、疑惑に関しほとんど報じてこなかった。

 民主党は18年の中間選挙で郊外に住む高学歴の白人女性層を取り込み、下院での過半数奪回を果たした。大統領選でもトランプ氏の再選阻止に向け女性層の確保は不可欠なだけに、以前も数々のセクハラまがいの行為が問題視されたバイデン氏が再び女性絡みの醜聞に巻き込まれるのは避けたいのが本音だ。

 しかし、トランプ氏の支持勢力は「保守派のカバノー氏を攻撃し、バイデン氏は見逃すのは二重基準だ」と反発。民主党内でも「対応を誤れば党のイメージダウンにつながる」として、公正な調査を求める声が出ているという。

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