天皇訪韓「初外遊で」と打診 89年に日本政府 韓国外交文書で判明

 【ソウル=名村隆寛】上皇さまが天皇に即位された1989年、宇野宗佑外相(当時、以下同)が韓国の崔浩中(チェ・ホジュン)外相に、「天皇陛下の最初の海外訪問として訪韓を実現する方向で調整したい」と伝えていたことが分かった。韓国外務省が31日に公開した外交文書で判明した。

 韓国の盧泰愚(ノ・テウ)大統領は同年5月下旬に訪日を計画しており、崔氏は4月初旬に事前協議のため来日した。宇野氏は崔氏に「韓国側の雰囲気が成熟したと判断されれば、日本政府としては特別の事情がない限り」との条件付きで天皇訪韓を打診した。

 宇野氏はまた、盧氏から天皇訪韓の話を取り上げてくれれば、日本側は答える形で方針を表明し、発表したいと語ったという。韓国側は盧氏の訪日の際、天皇陛下が日韓の歴史問題をめぐって昭和天皇よりも踏み込んだ発言をするよう求めていた。

 盧氏の訪日は、リクルート事件で竹下登首相が同年4月下旬に退陣を表明したため、翌年5月に延期となった。盧氏の訪日の際、天皇陛下は宮中晩さん会で「不幸な過去」について「痛惜の念を禁じ得ない」と述べられた。盧氏は天皇陛下の訪韓を招請したが、その後、両国間では慰安婦問題などがくすぶり、訪韓は実現しなかった。

 上皇さまの訪韓は、皇太子時代からも何度か検討されていた経緯がある。

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