米大統領選に大きな影 忘れ去られる民主党候補指名争い 新型コロナ

 【ワシントン=黒瀬悦成】新型コロナウイルスの感染拡大が米大統領選に大きな影を落としている。民主党候補指名に向けた全米各州の予備選や党員集会は、延期されたり郵便投票に変更されたりする一方、同党の本選候補の座を争うバイデン前副大統領(77)とサンダース上院議員(78)は大勢の聴衆を集めての支持者集会を開くことができないなど、選挙運動を封じられた状況に追い込まれている。

 民主党の指名争いをめぐっては、感染者数が全米で最も多い東部ニューヨーク州が28日、予備選を4月28日から6月23日に延期すると発表した。

 また、4月4日に予備選・党員集会を予定していたルイジアナ、アラスカ、ハワイ、ワイオミングの4州が延期を決定。このうちルイジアナを除く3州は投票を郵送方式に切り替えた。

 延期措置をとった州は28日現在、これらの州を含め計14州およびプエルトリコ準州となった。日程変更の結果、6月2日に重要州の東部ペンシルベニアなど10州および首都ワシントンの予備選が集中することとなった。

 一方、疾病対策センター(CDC)が3月15日に50人以上の集会やイベントの開催を自粛するよう勧告したことなどを受け、バイデン、サンダース両氏は支持者集会を全面的に中止し、自宅からウェブキャストなどを通じた情報発信に切り替えた。

 両氏は連日、新型コロナ対策に関し提言などを発信しているものの、言動が主要メディアに取り上げられることが大幅に減少し、一気に影が薄くなった。

 特に、今月3日に14州などの予備選・党員集会が集中した「スーパー・チューズデー」で奇跡の復活を果たして上昇機運にあったバイデン氏は完全に勢いを減殺された。大規模集会による支持層拡大を身上としてきたサンダース氏にとっても痛手は大きい。

 ただ、サンダース氏にとっては民主党主流派からの撤退圧力が一時的に和らいだほか、バイデン氏も息子のハンター・バイデン氏とウクライナ企業をめぐる疑惑を共和党からあまり追及されなくなるなど、コロナ騒動から思わぬ恩恵を受ける形となった。

 一方、再選を目指すトランプ大統領は、新型コロナ対策に関し週末も含め連日ホワイトハウスで記者会見を行って指導力を誇示するなど、現職としての強みを最大限に活用している。

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