露、新型コロナで改憲国民投票延期 政権批判リスク考慮

 【モスクワ=小野田雄一】ロシアのプーチン大統領は25日、国営テレビで演説し、新型コロナウイルス対策を理由に、憲法改正の是非を問う国民投票を予定日だった4月22日から延期する必要があると表明した。ロシア経済の悪化観測が出ている中、プーチン政権は求心力が低下する前に国民投票を済ませて改憲を果たす構えだった。しかし国民投票を通じて感染が拡大した場合、政権批判の強まりを招くなど、政権にとってより痛手になると判断したもようだ。

 プーチン氏は「最優先されるのは国民の健康だ」とし、国民投票の延期の必要性を強調。新たな期日は専門家の見解や感染状況に応じて決定されるとも述べた。露中央選挙管理委員会も延期に同意した。

 ロシアでは、原油価格下落に伴う通貨ルーブルの急落や新型コロナの影響などで経済や家計が今後さらに悪化し、国民の不満が強まるとの観測が出ている。プーチン氏の5選を可能にする改憲に批判的な一定の世論もある中、露政権は求心力を維持している間に改憲を完了させる方針だった。

 しかし新型コロナの感染者数はロシアでも増大。25日には600人を超えた。

 露政権は改憲の正当性を示すため、国民投票では「有権者の6割投票、7割支持」を目指してきたとされる。しかし国民が感染拡大に神経質となっている中で国民投票を強行した場合、投票率や支持率が低下する恐れがあり、プーチン氏はそうしたリスクを考慮したとみられる。

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