米大統領選 ブティジェッジ氏撤退はサンダース氏指名への党主流派の危機感反映 急がれる中道候補の一本化

 【ワシントン=黒瀬悦成】米大統領選の民主党候補指名争いで、序盤の予備選・党員集会で健闘した中道穏健派のブティジェッジ前サウスベンド市長(38)が撤退を表明したのは、中道系候補が乱立している現状では急進左派のサンダース上院議員(78)が指名される可能性が一層高まりかねないとする、議会民主党指導部など党主流派の危機感を反映したものだ。

 民主党では、14州などの予備選・党員集会が集中する3日の「スーパーチューズデー」を前に、サンダース氏が本選候補に指名された場合は穏健派や無党派の有権者の離反を招き、トランプ大統領に大敗するのは必至とみて、中道系候補を一本化させる必要があるとの声が相次いでいる。

 実際、ブティジェッジ氏は1日、サウスベンドでの支持者集会で撤退の理由について「展望が開けないまま指名争いに加わり続ける影響を考えた」と説明し、民主党の利益を考慮して身を引くのだと強調した。

 しかし、ブティジェッジ氏自身が指名争い序盤で頭角を現し、「新世代の期待の星」として注目されたことが指名争いの波乱要因となった側面も否めない。

 ブティジェッジ氏は、若さや討論会での明快な受け答えが白人の若者や高学歴層から注目され、初戦の中西部アイオワ州党員集会(2月3日)でサンダース氏と首位を争ったほか、第2戦の東部ニューハンプシャー州予備選(11日)でも1位の同氏に肉薄した。

 しかし、両州の有権者の大半が白人だったのに対し、民主党の有力支持基盤である中南米系が多い西部ネバダ州党員集会(22日)、黒人が人口の約3割を占める南部サウスカロライナ州予備選(29日)で振るわず、支持に広がりを欠くことが鮮明となった。

 また、同性愛者を公言していることや知名度不足が理由でスーパーチューズデーでも大敗する可能性が濃厚となっていた。

 当初本命視されながらバイデン前副大統領(77)の支持が急降下したのは、ブティジェッジ氏に加え、同じ中道系として善戦が目立つクロブシャー上院議員(59)の存在が大きい。しかも、スーパーチューズデーからはブルームバーグ前ニューヨーク市長(78)が本格参戦するため、中道派の同党支持者の票が分散し、サンダース氏に有利となる状況は直ちに解消されそうにない。

 選挙専門家のチャーリー・クック氏は3日の見通しについて「現状ではサンダース氏が各州の代議員の40~45%を独占する公算が大きい」と指摘し、「(中道系候補が)1人を除き今すぐ全員撤退しなければ、サンダース氏が指名されることになる」と警告した。

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