中国の超大国化がリスクに 新型コロナウイルスで表面化した「アジア人差別」と日本

 新型コロナウイルスの猛威が止まらない。

 中国の国家衛生健康委員会(NHC)によれば、春節が終わったばかりの中国では、新型コロナウイルスによる死者が400人を突破し、2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)による中国本土での死者数を超えている。

 そして感染は中国本土を出て、世界中に広がっている。感染者数では中国に次いで日本が多く、そのあとはタイ、シンガポール、韓国などと続く(2月5日時点)。そんな状況の中、世界で中国人に対する差別が起きているとニュースになっている。

 英フィナンシャル・タイムズ紙は、「どうして家から出てくるんだ--コロナウイルスが人種差別の恐怖を誘発している」と報じている。記事では、台湾人女性がフランスの電車でマスクをしていたために人が皆避けていったという話や、ハンガリーでベトナム関連のお店の経営者らが「私たちは中国人ではありません」という張り紙をした話、韓国で数百万人が中国人を入国させないよう大統領に要求したというエピソードを紹介している。

 日本でも、コロナウイルスによって、国外を中心に中国人への差別が起きているという記事が見られる。事実、海外に目を向けると、新型コロナウイルスの拡大によって、人種差別も「伝染」しており、その状況も日本で報道されているよりも深刻になっていることが分かる。しかも残念なことに、日本人にも直接、被害が及んでいる。今回のコロナウイルスが収束した後でも顕著になるかもしれない世界の「現実」に日本も直面している。

世界で強まる「アンチ中国」の動き

 海外のメディアを見ると、すでに紹介したフィナンシャル・タイムズ紙だけでなく、似たようなニュースが世界中で報じられている。フランスのテレビ局のユーロニュースは、アジア系フランス人の間で「#JeNeSuisPasUnVirus」、つまり「私はウイルスではない」というハッシュタグがTwitterで広がっていると指摘。中国発の新型コロナウイルスによって、アジア系がウイルスであるかのように見られている、というメッセージが拡散されている。また、実際に「イエロー警報」と一面に書いた新聞もある。

 カナダのテレビ局、グローバルニュースは今回“アンチ中国”の意識が高まっている背景には、中国が世界的に影響力を強めている貿易や政治、外交において、中国との間に問題を抱える国が多いこともあると指摘している。

 もっとひどいものもある。「胎児を食べる中国人が世界に非難されている」という動画がFacebookで拡散され、そのメッセージ欄には「こういう奴らが新型コロナウイルスをばらまいている」といったメッセージも書き込まれている。

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