貿易戦争「中国惨敗」で朝鮮半島“共倒れ”!? 北の正恩氏は「斬首」おびえ…韓国・文政権には“国民の鉄槌”か 識者「追い込まれた習政権に半島かまう余裕ない」

 中国の習近平国家主席が追い詰められている。新型肺炎の感染拡大を止められなかっただけでなく、米国との貿易協議の「第1段階」合意も、実態は「中国の惨敗で米国の圧勝」だったと明言するのは、国際投資アナリストの大原浩氏だ。大原氏は寄稿で、習政権の窮地は、朝鮮半島にも大きな影響をもたらすと指摘、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長や、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領にも「鉄槌(てっつい)」が下るとみる。

                     ◇

 筆者は2018年8月に寄稿した「貿易戦争で『中国崩壊』でも心配無用? 世界経済はむしろ好転か…」の中で、「米国との貿易戦争で中国の負けは確定している」と断定したが、その見通しは間違っていなかったといえる。

 共産主義中国に忖度(そんたく)したメディアは、習氏の体面を取り繕うためか、1月15日の米中による「第1段階」の合意が引き分けのように取り繕っているが、内容をきちんと分析すれば中国の惨敗、米国の圧勝であることは明らかである。

 合意内容には、「中国政府による米国の技術と企業機密の窃取に対する取り締まりの強化」の他、「農産物の2017年(貿易戦争開始前)の水準に比べて倍以上の輸入増加」など多数かつ重要な中国側の譲歩内容が含まれる。

 その見返りに米国が提供するのは、昨年9月に発動した制裁第4弾のスマートフォンやパソコンの部品など中国製品に課した追加関税15%を7・5%に引き下げることくらいなのだ。

 貿易戦争を仕掛けたのは米国側であり、第1弾から第4弾まで一方的に設定した関税のごく一部を「微調整」するだけでこれだけの成果を得たのだから、「トランプ流交渉術」には驚かされる。実は、米国は何も失っていないのだ。

 米国が合意署名に先立って中国に対する「為替操作国」の認定を解除した措置を「米国側の譲歩」と解説した報道が見受けられるが、実のところこれも「中国側の譲歩」というべきものだ。

 トランプ大統領は、「中国が人民元切り下げを行わないという『実行可能なコミットメント』を行ったほか、為替のデータ公表に同意した」ため解除したのだと説明しているが、これが事実なら、習政権は「為替操作国の認定」よりも厳しい状況に追い込まれる。

 「為替操作国」扱いだけでは、中国が開き直れば「元安誘導」で中国の輸出拡大を図ることも不可能ではない。しかし、前述の提案で手足を縛られれば、そのような行動は起こせなくなる。

 習政権は、香港の区議会議員選挙、台湾総統選挙に象徴される「民主主義を渇望する民衆の声」で足元が崩れ始めているだけではなく、「貿易戦争」という名の事実上の「制裁」によって、経済にも赤信号がともり始めた。

 共産主義独裁政権が崩壊・衰退することは、香港だけではなく、ウイグルやチベットの虐げられた人々、そして「民主主義を愛する人々」にとっては朗報だ。

 このように追い込まれている習政権に、朝鮮半島の国々をかまう余裕はなくなっている。

 正恩氏は、米特殊部隊などによる「斬首作戦」の演習動画公開(流出)におびえ、クーデター対策に必死になった。さらには、恒例の自身の言葉による「新年の辞」を、米国を刺激しないよう取りやめにした。

 韓国の文政権も悲惨である。自身と取り巻きに迫りくる検察の捜査妨害に躍起だが、その姿を見ている国民の鉄槌が4月15日の総選挙で下されるのではないだろうか。

 さらには、文政権の従北ぶりを見かねたハリス駐韓米大使の「親切な忠告」に逆切れして、口ひげに文句をつけるありさまだ。米国は、両国間の重大な政治問題になりかけた15年の「リッパート駐韓米大使襲撃事件」を忘れたわけではない。

 追い詰められた習政権と、混迷の極にある韓国・北朝鮮の状況を考えれば、中国が「在韓米軍撤退と引き換えに、正恩氏斬首作戦と米傀儡(かいらい)政権の樹立」を容認するシナリオも荒唐無稽ではなくなってきた。

 在韓米軍は、中国を牽制(けんせい)する意味合いもあるが、本来は共産主義独裁国家の北朝鮮に対抗するために駐留している。北の政権が打倒されれば、駐留する意味がなくなるのだ。

 ■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ