「裏切り者!」中国&北朝鮮、韓国へ軍事圧力強化か 「対日」軍備拡大の韓国…極めて厳しい安保情勢 専門家「日本は『統一朝鮮』の脅威について議論を」

 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権の孤立化が深まっている。日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を当面維持する(=条件付き延長)と発表してから10日たつが、北朝鮮や中国が「裏切り者」として、弾道ミサイル発射や軍用機侵入などで軍事的圧力を強めているのだ。日米両国も、異常な軍備増強を続ける文政権への警戒感・不信感を緩めていない。米韓両国は3日から、在韓米軍駐留経費の韓国側負担を決める協議を再開するが、ドナルド・トランプ政権は文政権に厳しく対峙(たいじ)する方針だ。

 「米国と日本への屈服は恥辱と破滅の道だ」「民族の尊厳と利益を日米に売り渡す、反民族的犯罪である」

 北朝鮮の対南宣伝サイト「わが民族同士」は11月29日の論評で、韓国の文政権が同月22日、GSOMIA維持を決めたことについて、こう非難した。

 激しい怒りを示したのか、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、GSOMIA維持発表の翌日(11月23日)、韓国に近い島の部隊を訪れ、海岸の火砲を試射させたのに続き、同月28日には「超大型多連装ロケット砲」の連射実験を参観した。韓国を標的とする短距離弾道ミサイルとみられる。

 中国も同月29日、東シナ海で韓国と管轄権を争う暗礁、離於島(イオド=中国名・蘇岩礁)付近から、中国軍機1機(Y-9偵察機と推定)を韓国の防空識別圏内に約20分間も侵入させた。韓国軍は戦闘機を緊急発進(スクランブル)させた。韓国軍合同参謀本部が同日発表した。

 中朝の軍事的動きは、韓国への警告・恫喝(どうかつ)の可能性が高い。

 文政権は8月下旬に「GSOMIA破棄」を発表した際、「日本が韓国への輸出管理を厳格化したため」と説明したが、事実は少し違う。GSOMIA破棄はもともと、北朝鮮が強く要求していたもので、文氏の「選挙公約」であり、中国も賛成していた。つまり、「GSOMIA破棄=レッドチーム入り宣言」だったのだ。

 今回、同盟国・米国の「強力な圧力」を受けて、韓国は「当面維持」を発表したが、一連の騒動で、日韓関係だけでなく、米韓関係にも大きな禍根が残った。「反日・離米・従北・親中」の文政権だけに、今後どうなるかは分からない。

 米韓関係の先行きを占うことになりそうなのが、ワシントンで3~4日に行われる、2020年以降の在韓米軍駐留費の負担割合に関する米韓の協議だ。

 韓国メディアによると、米側は今年の負担額の5倍を超える50億ドル(約5400億円)近くを要求している。韓国側は「合理的で公平な負担」を求めて、物別れに終わった。

 背景には、文政権が国防費を急増させていることもある。

 韓国が経済不況に苦しんでいるにも関わらず、文政権は17年の発足以降、国防費を急拡大させてきた。偵察衛星の配備や、軽空母級の多目的大型輸送艦の建造計画、原子力潜水艦の取得も構想している。

 文大統領は10月、国会の施政演説で、来年度の国防予算案が初めて50兆ウォン(約4兆6000億円)を超えることに言及し、「われわれの運命を他人任せにせず、自ら決めるために必要なのが強い安保だ」と強調した。

 米国側としては、「文政権は、朝鮮半島の『平和統一』を掲げながら、どうして国防費を急増させているのか」「余裕があるなら、在韓米軍駐留費の負担増に応じよ」という思いもあるだろう。

 韓国の国防費急増は、日本にも脅威である。

 河野太郎防衛相は10月28日、自身のブログに「防衛予算の比較」と題して、OECD(経済協力開発機構)が発表した購買力平価(=各国で、どれだけのモノやサービスを購入できるかを、物価水準を考慮して評価したもの)を用いて、日韓の防衛予算の推移について説明している。

 具体的数字を挙げたうえで、河野氏は《だんだんと差が縮まり、とうとう2018年には日韓国防費が逆転しました。2019年には差が一割近くまで広がりました。国防費の今後の予測によると、この差は顕著に広がります》と記しているのだ。

 日本の国会やメディアは、GSOMIAが当面維持となったため、関心を失いつつあるが、日本を取り囲む安全保障情勢は極めて厳しい。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「中国と北朝鮮にとってGSOMIAは目の上のたんこぶだ。軍用機の侵入や、弾道ミサイル発射は、当面維持とした文政権への『軍事的な不満の表明』と見て間違いない。文政権は12月の日韓局長級会議や日中韓首脳会談で、日本の輸出管理厳格化が撤回されなければ、GSOMIAを破棄する可能性はある。文政権による軍備拡大は、中長期的に『在韓米軍の撤退』を見据えたものだろう。韓国の国会では、軍拡予算が『対日本』ということで通っているという。『事実上の敵国』と受け止めてもいいのではないか。日本の国会は、将来、核とミサイルを持った北朝鮮と、軍備拡大した韓国が『統一朝鮮』となる深刻な脅威を考えて議論すべきだ」と語っている。

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