外資系企業が「韓国大脱出」!? 米の要請拒絶、GSOMIA破棄強行なら政情不安も… 識者「危険な状態になるだろう」

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、韓国を絶望の淵に追いやろうとしている。マーク・エスパー米国防長官が15日の会談で、失効期限(23日午前0時)が迫った日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)維持を求めたが、断固拒否したのだ。韓国は現在、経済低迷で外資系企業が次々と撤退、主要国からの投資も激減し、現地メディアが「韓国エクソダス(大脱出)」と嘆いている。同盟国・米国を裏切り、事実上の「レッドチーム入り宣言」といえるGSOMIA破棄を断行すれば、企業や投資家が最も嫌う安全保障上のリスクはさらに高まる。専門家は「外資の逃避が加速する可能性がある」と指摘する。

 《市場の復讐…「韓国経済にはもう食えるものがない」》

 13日の中央日報(日本語版)は、こんな見出しのコラムを掲載した。過去30年間ソウルで勤務したグローバル金融CEO(最高経営責任者)の言葉だという。

 同紙によると、ここ2年間で米ゴールドマン・サックス、英バークレイズ、豪マッコーリー銀行な大手外資系金融企業がソウル支店を閉鎖し、次々と韓国から離れていったという。従来は、海外本社から低金利で借りたドルを韓国で運用して利益を上げるというビジネスモデルだったが、韓国で低成長と低金利が定着したことが撤退の理由になったと伝えている。要は韓国の運用で儲からなくなったのだ。

 前出のCEOは「国際資本が韓国経済に完全に興味を失っている」ともコメントしている。

 数字の上でも「脱・韓国」は明白だ。韓国の経済団体、全国経済人連合会(全経連)の今年1~6月の韓国に対する海外直接投資は前年同期比37・3%減少した。

 悲惨なのは国別内訳で、投資額トップの米国こそ同3・1%増と微増だったが、前年同期の投資額2位の中国が86・3%減、3位のオーストラリアが95・7%減、さらにスペイン97・9%減▽英国50・9%減▽日本38・5%減▽香港25・5%減▽フランス96・8%減▽バルバドス100・0%減▽アラブ首長国連邦91・0%減と、軒並み投資が激減している。その結果、米国からの投資への依存度が高まっている。

 外資はわれ先にと逃げ出すが、韓国経済の“出口”は見つからない。今年の経済成長率は2%台を割り込み、リーマン・ショック後の2009年以来の低水準になるとの見方が強まっている。

 頼みの輸出額も、10月は前年同月比14・7%減の467億8000万ドル(約5兆1060億円)と、11カ月連続で前年割れするなど落ち込みが止まらない。

 就任から2年半を迎え、5年任期を折り返した文政権だが、経済失政に対する風当たりは国内でも強まるばかりだ。最大野党「自由韓国党」の黄教安(ファン・ギョアン)代表は、文政権の主要経済政策について「経済と民生を破綻させているまやかしの成長論だ」と非難した。

 こうしたなか、韓国が日米韓の安全保障上の枠組みから孤立化する懸念が深刻になっている。

 GSOMIAについて文政権は、日本の輸出管理厳格化の撤回が前提との立場を崩していない。

 「協定破棄には軍の反対もあり、国内の対立が起きる可能性もある。破棄を強行すると、カントリーリスクが増すのでは」と指摘するのは、韓国で商社マンとして勤務した経験を持つ朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏。全斗煥(チョン・ドファン)大統領の軍政に対し、学生や市民らが路上で蜂起した1980年の光州事件当時、現地に駐在していた松木氏は、政情不安による経済への悪影響は必至だとみる。

 「海外企業は与信枠を減らす、前金でもらう、猶予を置かず決済するなど、長期的な融資はできなくなる。投資家や現地企業は最悪の事態を想定して先手先手で安全策を考えるので、脱出の動きも当然加速するのではないか」と分析する。

 GSOMIAを維持するよう説得を続けている米国の報復も避けられない。

 韓国情勢に詳しい龍谷大学教授の李相哲氏は、こう警鐘を鳴らす。

 「韓国の株式市場の多くを外資が担っているが、米国がいるから安心して投資活動できている。本質的には反米主義者の文大統領が米国を追い出すことができないのもそのためだが、GSOMIA破棄で米軍が撤退する動きをみせれば、危険な状態になるだろう」

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