韓国にGSOMIA破棄撤回迫る? 米空軍、死の鳥「B52」2機が対馬海峡から日本海へ“異例飛行”

 米空軍のB52戦略爆撃機2機が25日、対馬海峡を通過して日本海(韓国名・東海)上空を飛行したことが注目されている。韓国メディアは「北朝鮮への警告」「中国とロシアを牽制(けんせい)」と分析しているが、日韓首脳級会談の翌日という日付や飛行経路に「米国の意図」が感じられるのだ。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は「反日・離米・従北・親中」姿勢を崩さず、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したが、米国は反対している。「死の鳥」と恐れられるB52によって「軍事的恫喝(どうかつ)」を行った可能性もありそうだ。

 《米B52爆撃機 25日に東海を飛行》(朝鮮日報・日本語版)

 《米軍のB52爆撃機2機が東海を飛行》(中央日報・同)

 韓国紙は28日、海外軍用機追跡サイト「エアクラフト・スポット」の公開情報をもとに、米爆撃機の「異例の飛行」をこう報じた。

 報道によると、2機のB52は25日、グアムのアンダーソン米空軍基地から出撃し、同基地や米軍嘉手納基地(沖縄県)から出た空中給油機3機の給油を受けながら、対馬海峡を経て、日本海上空を飛行したという。

 B52は、全長約49メートル、全幅約56メートルと巨大で「成層圏の要塞」「死の鳥」との異名を持つ。航続距離が1万6000キロと長く、核兵器や巡航ミサイルなど多様な兵器を大量に搭載できるのが特徴だ。今年3、5、9月、日本列島の東側からロシアのカムチャツカ半島近くまで飛行したことは確認されたが、日本海での飛行は異例だという。

 朝鮮日報は「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射など、悪質な挑発を行った場合に備えた警告のメッセージ」と報じ、中央日報は「22日に韓国防空識別圏に無断進入したロシアを牽制しようとする目的」と解説した。

 その可能性もあるが、注目すべきは「25日」という日付と、「対馬海峡から日本海に抜けた」という飛行経路だ。

 前日の24日、安倍晋三首相は、「即位礼正殿の儀」に参列するため来日していた韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相と、官邸で会談した。李氏は、文大統領の親書を手渡したが、いわゆる「元徴用工」の異常判決や、GSOMIA破棄決定など、数々の「反日」暴挙への解決策に言及せず、事実上の「ゼロ回答」だった。日本だけでなく、米国としても不満だったはずだ。

 さらに、「対馬海峡」は、韓国と北朝鮮が「赤化統一」して、中国のような全体主義国家となった場合、自由主義陣営の新たな防衛ラインが引かれる場所なのだ。つまりB52は、冷戦期の1950年、当時のディーン・アチソン米国務長官が提唱した「アチソン・ライン」(対共産防衛線)を沿うように飛行したのである。

 評論家で軍事ジャーナリストの潮匡人氏は「B52の飛行は、文政権が日米韓の3カ国連携から、中国やロシア側に軸足を移すことへの警戒感や、『朝鮮半島の赤化統一は座視できない』というメッセージではないのか。中国やロシアの軍用機や核を搭載した原子力潜水艦が太平洋に出る航路の上を飛行したのは、偶然ではないはずだ。文政権に対し、米軍の強い抑止力を見せつける意味もあった」と分析する。

 「米国の意図」は、B52の飛行後に明らかになった、米政府と米軍幹部の訪韓にも感じられる。

 デイビッド・スティルウェル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が11月5日から韓国を訪問するうえ、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長も11月中旬に訪韓する予定。同月23日午前0時に失効期限を迎えるGSOMIAを維持するよう、文政権に破棄撤回を促すという。

 国際政治において、軍事力は外交手段の一つといえる。「死の鳥」の異例飛行に対し、文政権はどう応じるのか。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ