習近平氏、11日からインド訪問 経済連携模索も「カシミール」で対立

 【シンガポール=森浩】中国の習近平国家主席が11日から2日間の日程でインドを非公式訪問する。米国との貿易摩擦が続く中で周辺国との友好関係を拡大したい中国と、対中貿易赤字幅の縮小を目指すインドは経済面で歩み寄る余地がある。ただ中国は、インドが北部ジャム・カシミール州の自治権を剥奪した問題で、パキスタン支持を鮮明にしており、政治面での隔たりはなお大きい。

 習氏の訪印は2014年9月以来。インド南部ママラプラム(マハーバリプラム)を訪れ、モディ首相と会談する予定だ。

 中印は17年夏に両国軍が国境に近いブータンのドクラム地区で対峙(たいじ)したが、18年4月の中国湖北省武漢での非公式会談を契機に接近した。今回の中印首脳会談は「特定の議題は設定されていない」(インド外務省筋)が、経済面で新たな相互協力が注目される。

 景気減速が指摘される中国と同様、インド経済も成長鈍化の兆しがある。今年4~6月のGDP(国内総生産)の伸び率は前年同期比5・0%。四半期として6年ぶりの低水準にとどまった。10億人を超える巨大市場を抱える両国は経済面で連携を深めたい意向だ。

 一方、カシミール問題をめぐり、習氏は9日のパキスタンのカーン首相と会談で、「パキスタンが権益を守ることを支持する」と表明した。建国以来の伝統的友好国であるパキスタンに配慮する姿勢を明確し、インドを牽制(けんせい)した。

 印英字紙ヒンドゥスタンタイムズは「習氏がパキスタンの悪影響から逃れられれば、会談は(インドとの)関係を前進させる場となる」と表現し、両国の緊密さに不快感を示す。中パの結びつきが確認された直後の中印首脳会談となり、どの程度の成果につながるかは未知数といえる。

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