ジョンソン英首相が議会休会 離脱延期法の期限前倒し警戒か

 【ロンドン=板東和正】ジョンソン英首相は8日夜、13日まで議会を休会した。再開後に施政方針を示すためとしているが、10月末の欧州連合(EU)離脱を公約に掲げるジョンソン氏が、強硬離脱路線への野党の反対論を再び封じ込める狙いがあるとみられている。休会をめぐっては、9月に最高裁判所が違法と判断したばかりで、野党議員の批判を受けそうだ。

 ジョンソン氏は、施政方針を示すエリザベス女王の演説を14日に開く予定。これまで、ジョンソン氏が9月10日から今月13日まで議会を休会する措置をとったことに、最高裁が「英国の民主主義の基礎に与える影響が極端に大きい」として違法との判決を下し、議会は9月25日に再開していた。

 英国では、今月19日までにEUと合意した新たな離脱協定案が議会で承認されない場合、離脱期限を延期するようEUに求めることをジョンソン氏に義務づける新法が成立した。野党が経済への影響が懸念される「合意なき離脱」を回避するために離脱延期法の期限を現行の19日より早める法案の提出を検討しており、ジョンソン氏が今回、公約実現のために休会という手段を再び使って法案提出を妨害したとの見方がある。

 ジョンソン氏が離脱延期法の期限を前倒しされたくないのは、新たな協定案の合意をめぐるEUとの交渉が難航しているためだ。

 ジョンソン氏は2日、新協定案の基礎となる離脱の条件に関する「最終提案」をEUに提示した。だが、英首相官邸の関係者によると、ジョンソン氏と電話会談したドイツのメルケル首相は8日、最終提案でEUと合意することは「著しく可能性が低い」と指摘したという。最終提案をめぐっては、離脱の際の懸案であるアイルランドとの国境管理問題の解決策を示していないとEU側から不満の声が上がっている。

 ジョンソン氏は今後、提案の合意に向けてEUと19日の直前まで交渉を続ける方針で、「政権としては今、離脱延期法の期限が早まるのは避けたい」(与党、保守党支持者)のが本音とみられている。

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